

江戸時代初期、水戸徳川家の祖である頼房が、江戸の中屋敷(後に上屋敷)の庭として造ったもので、二代目藩主の光圀の代に完成をみた庭園です。池を中心にした「回遊式泉水庭園」は、随所に儒教に心酔した光圀の趣味を取り入れ、中国の名所の名前を付けた景観が配されています。また、本庭園の特徴として、各地の景観を模した湖、山、川、田園なども巧みに造られ、諸国漫遊気分が味わえます。

本郷通りにある小さな坂、見送り坂・見返り坂が落ち合う地点から菊坂下交差点まで続く、長くゆるやかな坂道が、現在「菊坂」と呼ばれています。
ここには作家・樋口一葉がたびたび通った旧伊勢屋質店の土蔵(国登録文化財)も現存し、また菊坂と並行する小道(菊坂下道)から路地を少し入ったところには一葉の旧居跡があります。

平成2年11月に開館。本郷には、かつて夢二が滞在した菊富士ホテルがあり、最愛の女性、笠井彦乃と逢瀬を重ねた場所。今なお当時の風情をとどめて静けさと木々の緑に包まれています。そんな夢二の作品を都内で唯一鑑賞できる美術館として、古き良き時代を思わせる「夢二式美人画」から、モダンな表現を試みたデザイン作品まで、大正ロマンの世界に浸れます。
‘文京の大楠’と親しまれる、樹齢600年以上の楠。その見事な幹のすぐ向こうにたたずむのが、東京中のフレンチファンを獲得してきた実力派レストラン『ペジーブル』です。古き良き洋館で、極上フレンチを堪能するひとときは、まさに「口福」。
本場フランスで約8年修行したオーナーシェフ・日田守氏が腕をふるうモダンフレンチは、一皿一皿極めて味わい深く、高い完成度が感じられます。

本格フレンチ『ルヴェ ソン ヴェール 本郷』オーナーシェフの伊藤文彰氏は、京都出身、洋食店の3人兄弟の二男として生まれ、小さい頃から洋食に触れて育ち、いつしか料理の道へ。お兄さまと共にご両親から店を受け継ぎ、本郷屈指の名店へと育て上げました。伊藤氏は「その時その時の自分のアンテナに響くおもしろそうなこと、おいしいと思うもの、を忠実に出していきたい」と、料理への情熱を語ります。

まるで欧州のリゾートレストランのような非日常的な空間で、薪窯ナポリピッツァやヘルシーなイタリアンを楽しめるのが『青いナポリ』。噴水と緑豊かな樹々に囲まれたガーデンテラスは開放感にあふれ、ここが都内であることを忘れてしまいそうなほどです。


本郷の老舗和菓子店『本郷三原堂』の姉妹店。伝統的なフランス菓子から創作洋菓子までバラエティ豊かに揃います。人気No.1はオレンジピールを1本ずつ丁寧にチョコレートでコーティングしたオランジュショコラ。マシュマロのイメージを覆すギモーヴもおすすめです。

約380年前の寛永年間に創業以来18代続き、江戸の町民が初めて菓子屋になった江戸根元菓子屋として名高い老舗。店名の由来は、甘いものがぜいたく品だった時代、砂糖は壷に入れて保存されていたことから。そんな和菓子の歴史を伝える屋号にちなんだ「壷形最中」がこのお店の一番人気です。訪問先への手土産にして、正統派江戸和菓子の滋味とともに、壷屋の歴史を語り合うお茶のひとときも楽しそうですね。