STEP2 物件選びのポイント

理想の住まい環境について子育て視点で考えてみよう

理想の住まい環境について子育て視点で考えてみよう

子育て世帯は、子どもの年齢によってライフスタイルも大きく変わってきます。
「子どもが生まれるので、子育てしやすい地域に引っ越したい」「子どもが成長し、部屋が手狭になってきた」など、住環境の悩みはつきないものです。次の住まいをどこにするかは、家族にとって重要なことです。そこで子育て世帯が住み替えを考える際に、チェックするべきポイントを解説します。

日本人の住み替えの目的の変化

最近5年間に実施した住み替えの主な目的(複数回答)

国土交通省の住生活総合調査によると、住み替えの主な目的は、この30年間で「住宅の広さや部屋数の確保」や、「就職・転職・転勤」などの比率が減少する一方で、「子育て・教育環境の向上」などの比率が上昇傾向にあります。

このように日本人の住み替えの目的が多様化している中、今後も子育て環境を整えるために住み替えを考える世帯が増えていくことが予想されます。

子育てに適した立地選びのポイント

子育てのしやすさは、住宅の周辺環境によって大きく変わります。
例えば、交通量が多い道路近くの立地や、犯罪件数が多いなど治安面で不安のあるエリアは、子育てに適しているとは言えません。住み替えを考えるときには、住宅の周辺や通学路、最寄り駅までの道などを実際に歩いてみて、防犯上や交通安全上について問題がないか、通学路の歩道の整備状況や交通量の多さなどをしっかり確認するようにしましょう。

近隣に将来必要となる施設はあるか

近隣施設の中には、以前は不要でも、数年経ってから必要になるものもあります。今後必要となる施設が近隣にあるかを調べておきましょう。

例えば、乳幼児期には、小児科などの病院やクリニックが近くにあると安心です。評判のいい託児所や幼稚園、保育園があるかどうかも調べておきましょう。公園は乳幼児が遊べる小さな公園だけではなく、子どもが大きくなったときにのびのびと遊ばせることのできる広めの公園も近くにあると便利です。さらにスポーツクラブや英会話、学習塾などに通わせたいと考えるなら、自宅から通いやすい場所に人気の教室があるかどうかもチェックしておくといいでしょう。

近隣にあると便利な施設
広めの公園
小児科などの病院・クリニック
託児所・幼稚園・保育園
児童館
習い事の教室など

手厚い子育て支援のあるエリアをチェックする

少子高齢化の現代では、子育て世帯を呼び込むため、多くの自治体が、さまざまな子育て支援策を打ち出しています。魅力的な子育て支援策のある地域に住み替えを検討するのも一つの考え方です。

子育て支援策の中には、子育てサービスに使える、年間数万円相当のチケットを発行してくれるものや、緊急時に子どもを7日まで預かってくれるものなど、その自治体なりに工夫をこらしたものが数多くあります。支援についての詳細は各自治体のホームページなどで見ることができますので確認しておくといいでしょう。

待機児童の数「入園決定率」を把握する

待機児童の数は自治体によって大きな差があり、待機児童数だけではその地域の実情はわかりません。

参考になる目安として「入園決定率」というものがあります。入園決定率は、「新規入園が決定した子どもの数/新規入園を申し込んだ子どもの数」で計算され、どれくらいの割合で認可保育所に入れたのかが分かります。たとえ待機児童数がゼロでも入園決定率が低い場合には、多くの方が認可保育所に入れずに認可外の保育所に入所して、認可保育所の空きを待っている状態も考えられます。こうした状況を踏まえて、住み替えの際には、希望する保育所に入りやすいかどうか正確に把握するよう努めましょう。

待機児童の数「入園決定率」を把握する

物件周辺の施設をよく観察する

食材の宅配やネットスーパーが発達した今、日用品などの買い物に不便を感じることが少なくなりました。とはいえ、周辺に買い物に便利な施設があると気分転換に買い物を楽しむこともできます。スーパーや飲食店、衣料品店などがある大型商業施設があると、買い物と同時に、家族で外食したり、友人とお茶やランチを楽しんだり、何かと便利です。どんな商業施設が近くにあるかによって、その街に住む人の年齢層なども分かってきます。家族のライフスタイルと照らし合わせながら、周辺施設をよく観察してみましょう。

住環境や将来の街並みを用途地域で予測

最後に、子育て環境を考える上で確認するべき要素として用途地域があります。用途地域は住宅地に望ましい環境づくりや、商業や工業に適した地域づくりなど、各地域にふさわしい発展を促すために都市計画法によって定められたものです。また用途地域ではその場所に建てられている建物の種類や用途などを示し、敷地面積に対する建物の面積の割合を決めています。

具体例をあげると、住居専用地域は主に低層住宅や診療所、学校などしか建てられず、遊技施設は建てられません。そのため、「閑静な住宅地」で暮らしたい方には適していますが、買物などには不便さを感じるかもしれません。一方で商業地域はスーパーなどの商業施設や遊戯施設を建てることもできます。そのため、「静けさ」は望めないかもしれませんが、交通アクセスや買物などの利便性に適した地域です。1分でもゆとりの時間が欲しい子育て世帯には時短生活につながるでしょう。このように物件の用途地域によって、それぞれメリット・デメリットがあります。

用途地域の種類(都市計画法による定義)

第一種低層住居専用地域 低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域
第一種住居地域 住居の環境を保護するため定める地域
第二種住居地域 主に住居の環境を保護するため定める地域
準住居地域 道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、
これと調和した住居の環境を保護するため定める地域
近隣商業地域 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業
その他の業務の利便を増進するため定める地域
商業地域 主に商業その他の業務の利便を増進するため定める地域
準工業地域 主に環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域
工業地域 主に工業の利便を増進するため定める地域
工業専用地域 工業の利便を増進するため定める地域

都市計画法第9条より

住む場所に加え、生活圏内の用途地域も確認しておけば、その地域の住み心地や利便性などの住環境が把握できますし、将来その地域がどんな街並みになるのかをある程度予測することもできます。用途地域は都市計画マップや、その地域のマンションの資料などで確認できるので、住み替えを検討している物件の用途地域がどの種類に該当するのかをチェックしておきましょう。

思い描くライフスタイルと理想の子育てを叶える環境をみつけるために

子育てに適したすべての要素を満たしたエリアは、容易に見つけられるものではないかもしれません。ご自分の理想の住まいを思い描きながら、上記に挙げた項目と照らし合わせながら、時間をかけて探しましょう。

希望の地域が見つかったら、その地域にあるマンションの資料請求をしてみるのも住まい探しの第一歩となります。

アドバイザー : 暮らし研究所「エメラルドホーム」代表 高橋洋子

※掲載されている情報は、2017年10月時点のものです。