建築デザイン プラウド代官山猿楽町

代官山の街並みに輝きを加える
繊細で透明な低層レジデンス

代官山駅から徒歩5分、存在感のある商業施設と低層住宅が共存するエリアに誕生した「プラウド代官山猿楽町」。プラウドとして初めて電線を地中化するなど、街並みとの連続性を意識し、繊細で透明な美しい建築を生み出すまでの経緯と見どころを担当者が語ります。

メインビジュアル

プラウド初の「電線の地中化」を実現

代官山という街はヒルサイドテラスや代官山 T-SITEなど、存在感の高い建築が点在しており、それが街の魅力になっています。その一角に建つ新しいマンションをデザインするには、単体ではなく街並みとの調和を意識することが大切だと考えて、計画を進めました。

そこで、外観のデザインもさることながら、一つの大きなテーマとなったのが、敷地の前を走る電線をどうするかという問題でした。というのも、以前の敷地前の道路は電線だらけで、非常に厳しい景観だったのです。

電線を地中化するなど、行政の仕事ではないかと思う方も多いでしょうが、時間とエネルギーをかければ、民間企業が行うことも可能です。ただし、当社としても初めての挑戦で、最初はどこから手をつけていいかわからず暗中模索でしたが、電話会社や電力会社、インターネット会社など、10社近い関係者と何度も会議を重ね、地道に調整を進めることで、なんとか建物前の電線をなくすことができました。

室内から電線が見えないだけでなく、通りから見てもすっきりした景観が生まれ、美しい街並みづくりに貢献できたと自負しています。

専用の駐車場や屋上テラス付きの住戸も

ファサードは周辺の商業施設との連続性を考え、ガラスと石を組み合わせて、繊細な透明感と、存在感のある重厚さを両立させました。アールを描いた角のラインが印象的なコーナーを生み出しています。

10数戸しかない小規模物件ということもあり、一戸一戸の個性を際立たせたプランを用意したのも、このマンションの特徴の一つです。たとえば、1階には専用駐車場付きの住戸があり、ガレージに入れた愛車が室内からガラス越しに眺められるという、車好きのオーナーには魅力的な間取りを実現しました。

また、最上階には、専用の屋上テラスがある住戸を設けました。らせん階段を上って屋上に出ると大きなデッキが広がり、近くの緑豊かな代官山から渋谷のビル群まで、街の眺めが存分に楽しめます。

壁と一体のガラスアートが出迎えるエントランスホール

アプローチからエントランスホールにかけては、壁と一体になったガラスのアートを設置しました。鳥毛清喜さんというバリ在住のアーティストが手がけたもので、一見、全体が連続して見えますが、内と外で構造が異なっています。内側は縦に長い棒状のガラスを並べて接着していますが、外側は棒に見える1本1本が実は薄い板ガラスを積み重ねて柱状にしたもので、それらを並べてガラスケースの中に納めています。地震や強風などでどの方向から力がかかっても変形しにくい「剛性」を確保することが非常にむずかしく、実験と第三者機関による試験を重ねて今の形に辿り着きました。

内部には照明が仕込まれていますが、近隣への影響を考慮し、明るくなりすぎないよう、光を抑制するためのディテールにも気を配りました。

床に埋め込んだゴールドのラインは真鍮で、控えめながらもゴージャスさを演出しています。また、集合玄関機のプレートもゴールド色を選び、表面を凹凸のあるハンマートーン仕上げにして、かつ一切ビスを見せない納まりにするなど、細部までこだわりました。

エントランスホールの突き当たりには折り上げ天井が美しいラウンジがあり、その手前を左に折れるとエレベーターホールに至ります。エレベーターまでの通路の一角にも、同じ作家のガラスアートを配しました。

専用ロッカー「プライベートロッカー」まで完備

各住戸の玄関脇には、「プライベートロッカー」を完備しました。これは内と外の両面から物の出し入れができる各戸専用のロッカーで、宅配業者やクリーニング業者と対面することなく物の受け渡しができるため、在宅時のくつろぎを損なうことがありません。上段にはハンガーパイプが設置されており、上下を仕切る棚板をはずせば、トランクルームとしても使用できます。

これまで、シリーズとしては一定のデザインコードをベースにしつつ、敷地条件や担当者によって、さまざまな個性をもつプラウドが生まれてきましたが、「プラウド代官山猿楽町」は、その中でも、ミニマルでモダンなデザインが特徴的な物件といえるのではないでしょうか。

インタビュー

野村不動産 住宅事業本部事業推進一部 新谷雅樹

このプロジェクトで最も難題だったのは、代官山の敷地特性を分析した結果、取り組むことになった電線の地中化です。社内でも社外でも調整役として奔走した日々でしたが、これが達成できたことは、事業としても街にとっても大きなことだったと思います。これまで渋谷区や港区の物件を継続して担当してきましたが、都心のプロジェクトには再開発や建て替えなど、まだまだ可能性があります。今回の「プラウド代官山猿楽町」で学んだことを生かしながら、今後も都心の上質なプラウドの理想形を追求していきたいと思っています。

プラウド代官山猿楽町

所在地
東京都渋谷区猿楽町
交通
東急東横線「代官山」駅 徒歩5分
総戸数
15戸
竣工
2018年10月
※掲載の徒歩分数は、2019年10月時点の「不動産の表示に関する公正競争規約」に沿った表示となります。

※掲載の情報は、2019年10月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。