建築デザイン プラウド港北センター北

街に「ゆらぎ」や「変化」を与える
マンションの新たな表情を生み出す

『プラウド港北センター北』の各住戸のバルコニーには、ユニークな可動面格子ルーバーがあります。西日や視線を制御するだけでなく、入居者が自ら住まいの外観を変えられる点が画期的です。その最大の見どころを中心に、マンションの魅力を担当者が語ります。

メインビジュアル

日射や視線をコントロールする独自の可動面格子ルーバーを考案

敷地は横浜市のセンター北駅から徒歩4分、商業エリアに隣接する利便性の高い場所にあります。まず、急速に開発が進んだニュータウンならではの人工的な街の印象に対し、何か自然の光や風のような「ゆらぎ」や「変化」を与える建築がつくれないかと考えました。その一方で、東西の2面が道路に接しており、東側にはマンションなど中高層の建物が建ち、西側は幹線道路が走っていることから、西日と視線をいかに遮るかも課題でした。

そこで、日射や視線をコントロールし、かつ商業エリアに馴染みながらも街の新たなランドマークとなるファサードをつくるため、東西の両面に、バルコニーの手すりと一体化したアルミ製の可動面格子ルーバーを設置することにしました。

上下の手すりの間をスライドする可動面格子ルーバーは、デザインを手すりと揃え、あえて断面の形や色味が異なる3種類の部材を組み合わせることによって、見る角度によって見え方が異なり、独特のリズムを生み出しています。可動面格子ルーバーを固定した際に部材それぞれの縦ラインが通るよう検討を重ねることで、たとえランダムな配置になったとしても、全体で調和が取れるように配慮しました。

施工の途中で安全性を高める新たな機構を追加したため、移動には少々コツが要りますが、入居者の皆さんがそれぞれ自分の意思で、季節や時間に応じて好みの位置に動かすことができます。

また、隣同士の住戸を仕切る隔て板は数多くの候補から吟味した結果、オレンジ色に塗装しました。これによってモノトーンの外観に温かみが加わり、周辺の商業ビルとは一線を画した住宅らしい表情が生まれたのではないかと思います。

街路樹と植栽が彩る緑豊かなエントランス

入口は幹線道路沿いの西側ではなく、駅からアクセスしやすく落ち着きのある東側の通りにあります。建物の足元には、サルスベリやヤマボウシなど、四季折々の花や実が楽しめる中高木を豊富に植えました。植栽がもともと舗道沿いに植えられていた街路樹と向かい合い、街に開かれた緑のアーチのようなボリュームを形成しています。

ここは用途地域が商業地域であるため、1・2階に住戸を配することができませんが、この法律上の制限を逆手に取って2層分をうまく活用し、主役の可動面格子ルーバーのある外観を際立たせるためのシンプルな基壇部を構成することにしました。エントランスの上部には黒いアルミパネルの庇を設け、風格ある構えをつくりました。

格子のデザインを踏襲した2層吹き抜けのラウンジ

内部のエントランスホールとラウンジも、2層吹き抜けの高さを生かし、天井高3.6mの開放的なスペースを実現しています。限られた面積の中にホールとラウンジを配置するため、両者を曖昧に仕切ることで一体感を持たせました。ラウンジの開口部のサッシや間仕切り壁には格子のデザインを採り入れ、外観のイメージと連動させています。

奥のラウンジは大開口の向こうにみずみずしい緑が広がる、明るく伸びやかな空間です。ほどよい独立感も備え、目下、子どもたちの集団登校時の待ち合わせ場所として活躍中です。

「住民の手でつくり出せる外観」がグッドデザイン賞を受賞

ちなみに、このプロジェクトは2020年度のグッドデザイン賞を受賞することができました。これまでにない、日々変化するファサードデザインであること、しかも、それを入居者自身がつくり出せる点を高く評価していただいたと感じております。

審査委員の講評の中に「入居者にとっても、外観の現れ方に自分が関わることにより、長く愛着を持てるのではないか」というコメントがありましたが、今後このように外観に「動き」のあるマンションが、街の新しい顔として根づくと同時に、住民の皆さんにとって長く愛着が持てる住まいになってくれればと願っています。

インタビュー

野村不動産 住宅事業本部 事業推進二部 推進二課 黒柳 歩夢

『プラウド港北センター北』の可動面格子ルーバーの施工には多くの技術的な困難が伴いましたが、現場や業者の方々との協働により、なんとか完成することができました。こうしたこれまでにない新しい試みを実現したマンションの開発に関われたことは本当に幸運でした。これからもこのようなチャレンジングな物件を創っていきたいと思いますが、自分では街づくりなどの大規模な事業に関わるには、まだまだ経験が足りないと感じています。これから個々の仕事を通じて建築の知識をしっかり身につけ、着実にステップアップすることで、総合ディベロッパーにふさわしい引き出しをたくさん持つ人間になれるよう、努力を重ねていきたいです。

プラウド港北センター北

所在地
神奈川県横浜市都筑区中川中央
交通
横浜市営地下鉄グリーンライン・ブルーライン「センター北」駅 徒歩4分
総戸数
90戸
竣工
2019年8月

※掲載の情報は、2021年2月時点の情報です