建築デザインプラウドシティ日吉

100年続く
まちづくりの実現へ

約5.4haの敷地に、マンション・小学校・商業施設・サービス付き高齢者向け住宅からなる街を計画した大規模複合開発事業「プラウドシティ日吉」。持続可能なまちづくりに加え、マンション住人だけでなく地域住人にも共用部を開放し、あらゆる世代の人々が緑の中で安心して集う街を目指しました。ハードとソフトの両面から、プロジェクトの見どころを担当者が語ります。

地域に開かれた広場と「まちの共用部」

「プラウドシティ日吉」は日吉駅から徒歩9分、総戸数1318戸の大規模複合開発プロジェクトです。綱島街道に面した約5.4haの広大な敷地には、三つのレジデンス棟をはじめ、商業施設「ソコラ日吉」、健康支援施設「メガロス日吉」、サービス付き高齢者向け住宅「オウカス日吉」、地域貢献施設「Be ACTO日吉」などを配置し、敷地の南東には新設小学校も誕生しました。まちの機能を歩いて行ける範囲内に凝縮させることで、新旧のコミュニティを緩やかにつなぎ、多世代が集う多機能な「都市型コンパクトタウン」を目指したのです。

街の魅力や豊かさを育むのは、そこに住む人々が街に誇りや愛着を持つことだと、野村不動産では考えています。そこで、ここではプラウド初の新たな取り組み「Be ACTO」をスタートさせました。「Be ACTO」とは、マンションをお引き渡しした後も、そこにお住まいの方々だけでなく周辺の街の方々、行政、企業など、地域の皆様の伴走者として、オープンなコミュニティづくりと活性化を支援するための仕組みです。

これまでと大きく異なるのは、通常はマンション住民専用の場である共用部のスペースを、事業主である当社が所有することで「まちの共用部」として地域に公開し、引き渡し以降も地域全体のコミュニティ形成に積極的に関わり続ける点です。また、計画段階から地域の皆様と議論を重ねながら、双方向のものづくりを通じて積極的に地域の皆様の意見を集約し、地域との関係づくりを図ってきました。工事現場の一部を「吉日楽校」として地域に開放したのも、そうした取り組みの一例です。

敷地内の要所要所には、それぞれに特徴のある広場や緑地帯を設け、安全な歩行空間を整備しました。街の中核をなし、多世代交流の拠点となる「セントラルプラザ」をはじめ、遊具を配置した広場、防災活動拠点としての用途も想定した広場など、多様な機能を備えた場がありますが、これらはすべて公開空地であり、さまざまな人々が安心して集える生活基盤として計画したものです。

「セントラルプラザ」。中央は既存樹を生かしたシンボルツリーのケヤキ

「セントラルプラザ」中央は既存樹を生かしたシンボルツリーのケヤキ

綱島街道沿いの賑わいを演出する「バザールフォレスト」

綱島街道沿いの賑わいを演出する「バザールフォレスト」

床にゴムチップを使用した安全な遊び場「ウェルネスプラザ」

床にゴムチップを使用した安全な遊び場「ウェルネスプラザ」

災害時に活躍する「かまどベンチ」のある「ビオフォレスト」

災害時に活躍する「かまどベンチ」のある「ビオフォレスト」

さらに敷地の中ほどには、南北をつなぐ貫通通路(ミッド・プロムナード)を設けました。これによって、以前は分断されていた北と南のエリアがつながり、マンション住民を含めた地域の皆様の安全な歩行空間が生まれ、安全な通学路としても寄与しています。一方、綱島街道沿いも、歩道を整備し、ゆとりの緑地帯を配したことが、地域の歩行空間の改善につながりました。

初めてのまちの共用部「Be ACTO日吉」

さて、冒頭に述べたオープンな「まちの共用部」第1号、それが「Be ACTO日吉」です。施設内にはさまざまな用途に使えるシェアスペースがあり、会員登録すればマンション住人に限らず、どなたでも利用することができます。

たとえば、「まちのリビング」には、シェアキッチン、ダイニングスペースなどがあり、ホームパーティや料理教室、1日限定の店舗など、アイデア次第で多様な活用が可能な場です。また、「まちのワークスペース」は、鍵付きでデスクワークに集中できるブースや、会議に使えるスペースを備えています。

一時預かり保育を行う子育て支援スペース

一時預かり保育を行う子育て支援スペース

レジデンスⅡの1階にあるグリーンショップ

レジデンスⅡの1階にあるグリーンショップ

この他、敷地内には、Be ACTO日吉の活動に賛同するコアパートナーとのコラボレーションにより、子育て支援スペース、コミュニティカフェ、グリーンショップ、フィットネスなど、新しい拠点が続々生まれています。

棟ごとに個性を持たせた外観と広場の緑を望むホール

3つのレジデンス棟の外観は、全体が一体ではなく別々の建物に見えるよう、色味やデザインの方向性に変化をつけました。全体的に低層部には濃い色味、高層部へ行くにつれて明るい色味を用いて軽快な印象を演出する一方、構造上のフレームを活かして重厚感を表現しつつ、デザインを分節することで建物全体に変化をつけています。

レジデンスⅢのエントランスホール
レジデンスⅢのエントランスホール

3棟それぞれに、上質な迎賓空間にふさわしいエントランスホールをデザインしました。どのホールも開放的で、広場が存分に眺められます。

初の自社開発アプリ「Will TAP」を導入

「プラウドシティ日吉」ではもう一つ、プラウド初の試みとして、自社開発アプリ「Will TAP」を導入しました。これにより、鍵の施錠、給湯機のお湯張り、エアコンや床暖房の制御、照明の点灯などの遠隔管理が一元化できました。これまではメーカーごとに別のアプリで操作する必要がありましたが、日常使いの利便性の向上を目指しました。また、マンション管理情報の発信やBe ACTOからのイベント情報などもすべて、このアプリを通じてチェックできます。

このように、「プラウド初」をいくつも盛り込んだ「プラウドシティ日吉」の地域コミュニティづくりは今、始まったばかりです。私たちもこの街の一員として携わり続け、よき伴走者として、マンションにお住まいの皆様や地域の方々が誇りや愛着を持てる街づくりを実現していけたらと思っています。

インタビュー

野村不動産 住宅事業本部 神奈川事業推進部 推進一課 大西優希

2017年の秋から約5年間、このプロジェクトに携わってきました。行政や地域の皆様など関係者が非常に多く、共感と納得を得ながら事業を形にしていくのはとても大変でしたが、同時にやりがいも感じました。また、引き渡して終わりではなく、そこからエリアマネジメント活動がスタートするなど、プラウドとして初めてのことが多く、常に手探りで進め、誰もやったことのないことをチーム一丸となって手作りしていきました。その過程を通じて、次第におもしろさに目覚め、醍醐味を味わうことができたと思います。この事業を通じて培ったノウハウや、物事を一からつくり上げる姿勢は、どんな事業においてもきっと役立つに違いありません。今後もそれらを活かしつつ、新しいものづくりに挑戦していきたいです。

プラウドシティ日吉

所在地
神奈川県横浜市港北区箕輪町二丁目707番1,28,29他(地番)
交通
東京急行電鉄東横線 「日吉」駅 徒歩9分
東京急行電鉄目黒線 「日吉」駅 徒歩9分
総戸数
1318戸
※掲載の徒歩分数は、 2022年7月時点の「不動産の表示に関する公正競争規約」に沿った表示となります。

※掲載の情報は、2022年10月時点の情報です
※こちらの物件は完売いたしました。