

目の前には二条公園、その先には世界遺産の二条城が続くという、恵まれたロケーションに誕生した「プラウド京都二条城」。さまざまなジャンルの名工が集い、知恵と技を結集してつくり上げた建築への想いを担当者が動画で語ります。


「プラウド京都二条城」のデザインコンセプトは 「間(Ma)」。平安の昔から大切にされてきた、静寂と余白を尊ぶ精神です。入口の門からエントランスに至るアプローチに配した水と石の庭をはじめ、職人技が光るラウンジ、季節の変化が感じられる坪庭など、余白の美を追求した建築の見どころを担当者がさらに詳しく解説します。
世界遺産・元離宮二条城の北側の住宅街にある敷地は、かつて平安京の大内裏の中に立地していた由緒ある場所にあります。北・西・南の三方が道路に面した角地で、加えて南側には二条城に隣接した二条公園が広がるという恵まれた環境も大きな魅力です。

一方、京都市では歴史的建造物の景観を保全するため、境内や参道などを「視点場」として設定しており、二条城もその一つです。二条城の周辺地域に建築をつくる際には、環境に調和した色彩にするだけでなく、城郭内を見通せない高さとし、勾配屋根にするなど、厳しい基準をクリアする必要がありました。


こうした条例にのっとり、建物は5階建てとし、街並みに溶け込みつつ品格ある佇まいになるよう、外観はどの方向から見ても正面となるようなデザインをめざしました。四方に勾配屋根を回し、軒裏には木調の塗装を施して丁寧に仕上げています。屋根は傾斜を感じさせつつもシャープさを出したいと考え、角度も細かく調整し、緩やかな「三寸勾配」としました。

屋根を支える柱の最上部を曲げ、軒の深さを象徴的に見せているのも、外観の特徴です。色味は全体を濃い目のモノトーンで統一し、柱に沿って通したアルミ角樋も黒で仕上げることで全体の色調を引き締めており、細部にいたるまで調和を図りました。入口のある北側の塀に用いた濃いグレーの石はベトナム産のバサルト(玄武岩)で、内部にも多用しています。

入口の門構えには、薬液を加圧処理を行った特殊な木材を使用し、表面には凹凸をつけた「なぐり加工」を施しました。また、足元の「延べ段」も、庭師が天然石を一つ一つ吟味して組み合わせ、細かく調整しながら仕上げたものです。


格子戸を開け、一歩足を踏み入れると、白漆喰の壁に囲まれた水と石の庭が出現します。二条城の堀や塀のイメージと呼応させ、静寂と余白を尊ぶ京の美意識 「間(Ma)」を表現しました。エントランスに至るアプローチは斜路になっており、奧へ行くにつれて両側に続く水盤より床面が低くなるため、水面を切り開いて歩を進めるような空間体験が楽しめます。

水盤に配した石は変閃緑岩で、庭師が長年大切に保管してあったストックの中からこの場にふさわしいものを選んでくれました。水盤のエッジには間接照明が仕込んであり、夜になると石のシルエットが浮かび上がり、昼間とはまったく異なる表情を見せます。

エントランスホールは、季節の生花をしつらえる花台が置かれたミニマルな空間。共用空間の構成の軸となったのが「白銀比」(伝統建築などに見られる日本古来の美の比率)です。正面の黒漆喰の壁に埋め込んだ真鍮目地は白銀比に従っており、その数理的な美しさが住まう人の所作を美しく引き立て、心地よい緊張感と静謐をもたらします。

ホールの隣には一体感のあるラウンジが連続しています。床と壁は南側の塀と同じ石のバサルト貼りで、天井には京都産の木材をルーバー状に張りました。右手の壁にも白銀比の黒漆喰の壁が続き、各所に配した間接照明が空間をゆるやかにつなぎます。

風景を切り取るようにコの字形に開いたラウンジの窓からは、水盤の庭が存分に眺められます。窓辺に造りつけたベンチの座面は黒い畳張りで、京都・大原の畳職人に特注したもの。近づくと畳の香りが広がり、和の落ち着きが感じられます。

黒畳に縫い込まれた色とりどりの生糸は、葵祭や祇園祭などの京都の年中行事・桜や紅葉といった四季の風物詩を、日本の伝統色に置き換えて並べたもので、時のうつろいを表現しました。

また、テーブルは本磨きやジェットバーナー仕上げのバサルトと木の無垢材を組み合わせたデザインで、表面には白銀比にのっとった真鍮の目地割りを施しました。

共用廊下沿いには坪庭を設けました。大小二つのアート水盤を中心に、石と砂利と植栽を配した、日常の暮らしの中で季節のうつろいが感じられる余白の空間です。砂利の中には、剪定によって発生した葉や枝を腐敗させてつくった庭師オリジナルのウッドチップを混ぜることで、落ち葉が自然ととけこむようにしました。
南の公園に面した住戸は縦に長い間取りですが、建物中央部に設けた坪庭や吹き抜けから光と風を取り入れることで、京町家のような住まいを実現しました。

水と石と植栽を駆使して建築の内外に洗練された余白の美を盛り込んだ「プラウド京都二条城」。お住まいの皆様に、安らぎや落ち着きと同時に、日々発見や刺激を感じていただける空間になればと願っています。

プラウド京都二条城
二条城、二条公園からつながる緑の開放感。
所在地:京都府京都市上京区主税町953番2(地番)
交通 :京都市営地下鉄京都東西線 「二条」駅 徒歩11分
JR線嵯峨野線 「二条」駅 徒歩14分
総戸数:35戸(広告募集対象外住戸4戸含む)
竣工 :2026年2月竣工済み
※掲載の情報は、2026年6月時点の情報です
インタビュー
野村不動産 西日本支社 住宅事業推進部 黒柳歩夢
このプロジェクトにはランドスケープ、建築、照明、造園、家具など、第一線で活躍する多彩なジャンルのプロフェッショナルが関わっています。それぞれの力を最大限に引き出せれば必然的によいものができると確信し、チームの調整に努めました。皆様のご協力により上質な建築が完成し、光や風の微妙な違いによって刻々と表情が変わることを実感します。今後、時を経るにつれてその表情がますます豊かになっていくさまを、お住まいの方々とともに楽しみたいと思っています。