プラウドが生まれる街馬車道

1859年の開港以来、国の玄関として日本と世界を結んできた横浜。中でも現在のみなとみらい線・馬車道駅を中心とした半径2kmほどのエリアは、港都・横浜のコアエリアとして発展を続けてきました。それは令和の時代になっても変わりません。市庁舎がこの地に移転し、新しいスポットが次々とオープン。機能も魅力もますますアップし、新計画も進行中です。歴史を慈しみながら未来に羽ばたく馬車道の街を歩きます。

1 馬車道の街を歩く

港都・横浜の「これから」と
「これまで」が交差する街

横浜市役所新市庁舎のプロムナード

エリアの起点となるのは馬車道駅。赤レンガの壁と巨大なドームの組み合わせが印象的な、「過去と未来の対比と融合」がテーマの駅です。

馬車道駅

この馬車道駅の1C出口を進むと、6月にオープンしたばかりの横浜市の新市庁舎。1階から3階までが商業施設や飲食店、イベントスペースになっていて、気軽に利用できます。3階の「市民ラウンジ」は新しい夜景スポットとして早くも人気となっています(月~金曜日の7時〜20時まで開放)。

新市庁舎のアトリウム
新市庁舎の市民ラウンジ

エリアのもうひとつの新名所「北仲ブリック&ホワイト」も馬車道駅直通。生糸貿易の拠点となっていた倉庫をリニューアルした施設で、スーパーマーケット「リンコス」やライブレストランの「ビルボードライブ」などが入居。秋からはマルシェが毎月開催される予定です。ブリック&ホワイトのある北仲通地区の開発は現在も進行中で、今後のますますの発展が期待されます。

北仲ブリック&ホワイト
馬車道商店街

横浜の歴史的な建物や名店を
日常使い出来る街

東京藝術大学大学院映像研究科馬車道校舎
MAKOON YOKOHAMA

馬車道駅に戻って南西に進むと「馬車道商店街」。「県立歴史博物館」などの歴史的建造物が「ガーデンストリート」をコンセプトとした花咲く街並に調和しています。さまざまな事物の発祥の地であるこの通りには日本初の洋品店「SHINANOYA」など老舗が多く、また、グルメスポットとしても人気です。

県立歴史博物館
横濱帆布鞄

馬車道駅から北へ歩くと人気の夜景スポット・万国橋を経てみなとみらい。赤レンガ倉庫もすぐそこです。東に進めば象の鼻パーク、大さん橋、山下公園。馬車道は海を身近に感じられる街です。

象の鼻テラス(象の鼻パーク内)

2 新しい風

名建築とアーティストと市民をつなぎ
横浜の街を元気にする場所づくりを

馬車道駅のすぐ上に、石造りの重厚な建物があります。まるでギリシア神殿のようなこの建物は、1929年の建設以来、主に銀行として使われてきましたが、現在は現代美術のギャラリーになっています。いま「ギャラリー」と書きましたが、実は単なるギャラリーではありません。ここ「BankART Temporary」は、アートの力で横浜の街をさらに魅力的に変えていく、その活動の拠点の一つなのです。

BankART Temporary

「ここはアートのためのアートを展示する場所ではありません。クリエイティブと経済、アーティストと市民や企業を結び付け、それを街づくりに活かしていく。こうした我々BankART1929の活動をアピールする場所です」

「『緑陰図書館2020』松本秋則+高橋啓祐」展
BankART1929代表の池田修さん

そう話すのはBankART1929代表の池田修さんです。BankARTは2004年にスタートした横浜市のプロジェクトで、テーマは「歴史的建造物や倉庫などを文化芸術に活用して街づくりを進めていく」というもの。横浜には歴史を重ねてきた趣のある建物がいくつも残っています。それらをギャラリーとして、また演劇などの舞台として活用し、歴史とアートを響き合わせながら魅力ある街を創っていこうという試みです。

「『緑陰図書館2020』松本秋則+高橋啓祐」展

BankARTは発足以来大小さまざまなアートイベントを行ってきました。その中にはギャラリーを飛び出して街に出て行くイベントもありました。また、関内さくら通りにあるカフェ&ブックショップの「BankART Home」などでアートや建築のスクールも開講しています。そんな街と関わり続けるBankARTがいま最も力を入れているのはアーティストの誘致です。

BankART Home

「横浜には、BankARTや行政の呼びかけ等をきっかけにやってきてアトリエや事務所を構えたアーティストや建築家が1000人くらいいます。BankARTは彼らに仕事を紹介したり、コンペの参加を促したりもしています。実を結んだ横浜の大きなプロジェクトもいくつかありますし、ここでの活動をきっかけに活動を広げた人もいっぱいいます。そうそう、象の鼻パークの設計をした小泉雅生さんの事務所もこの近くですよ」 横浜がアーティストの街と呼ばれる日も遠くないでしょう。彼らと交わることで、人も街も変化し、活性化していきます。

BankARTの拠点の一つ「BankART Station」(みなとみらい線・新高島駅構内)

BankARTは馬車道エリアで産声を上げた後、万国橋の近くにあった旧日本郵船倉庫に移転したり、新港埠頭の倉庫を拠点としたりと、移転や増殖を繰り返してきました。2020年春にオープンしたBankART Temporaryがあるのは、BankART生誕の地である馬車道です。

横浜の歴史的建造物を
トスペスに

旧東急東横線高架下の「R16 Studio」もBankARTの施設

「この界隈は日本の近代を作った総本山です。当時の日本の輸出の9割はここが担っていたようです。そしてここは今、横浜の歴史地区と新市街地であるみなとみらいが出会う最前線です」

馬車道通り

みなとみらいと一体化すべく開発が進む馬車道駅界隈は、今もっとも面白い場所といえます。開港以来、常に新しい文化の入口であった横浜。この街は、新しいモノやコトを取り入れ、解釈を加えて表現し、それを独 自の魅力としてきました。そしていま、池田さんたちが蒔いたアートの種が横浜で花を咲かせ、実をつけ始めています。この地で活動を続けるBankARTは、これからも横浜の街の魅力づくりに大きな役割を果たしていくでしょう。

撮影:薮崎めぐみ

写真協力:BankART1929

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※掲載の情報は、2020年8月時点の情報です