まっすぐに伸びる緑濃い並木道。沿道には個性的なショップ。桜の絨毯の上を行く学生たち──。「国立」は、美しい並木道「大学通り」で名をはせる、自然を感じながら豊かに暮らせる街。「国立」駅から「新宿」駅へ約33分と、都心へのアクセスにも優れた「国立」の街を歩きます。
「国立」の中心街は、JR中央線「国立」駅周辺からJR南武線「谷保」駅周辺に至るエリア。二つの駅を結ぶ「大学通り」は、街の背骨、緑の大動脈。春の桜、夏の緑陰、秋の紅葉と、四季を通じて行き交う人々を和ませています。沿道には気の利いたショップやカフェ。「一橋大学」の雑木林から流れて来る清々しい空気。「大学通り」と交差する「さくら通り」はこの街のもう一つの桜の名所です。「国立」では便利な都市機能と自然の快適さが見事に両立しています。
「INDIVI」は、契約農家から仕入れる旬の食材を、シェフの多彩な技で料理する上質な大人の店。ワインのセレクトも充実している
「国立」駅周辺は多くの店が集う商業エリア。「nonowa国立」「西友」「紀ノ国屋」といった大型店で日々の暮らしに必要な物は十分揃いますが、この街の人々は街を歩いて自分好みの店を探す楽しみを知っています。食材にこだわるモダン・フレンチの「INDIVI」、昭和初期に建てられた国登録有形文化財の洋館で至福の時を送れる「カフェおきもと」、花のギフトから、教室、ガーデニングまで、花と緑をトータルに楽しめる店「葉根茶」など、候補はたくさん。気の合う店との出会いは「国立」での暮らしをさらに豊かにしてくれます。
「おきもとカフェ」は、洋風建築と和風建築に別荘庭園の風情を匂わせた「沖本家住宅」をリノベーション。
600坪の敷地内では各種イベントも開催されている
1957年に「文教地区」に指定されて以来、「国立」ではアカデミックな街づくりが一貫して進められてきました。「一橋大学」「東京女子体育大学」「桐朋中・高等学校」といった伝統校が多く集まり、若者たちの夢を育てています。「くにたち市民芸術小ホール」「くにたち中央図書館」「コート・ギャラリー国立」など文化施設も充実。美術展やコンサート、ワークショップで文化の華を咲かせるとともに、街の人々の心と心をつなげています。
「大学通り」を南に進むと「谷保天満宮」。関東三天神の一つに数えられるこの古社には約350本の梅が植えられ、梅まつりで賑わいます。さらに南に進むと多摩川を望むエリア。今も農業が続けられ、ここで育った「くにたち野菜」は街のあちこちにある直売所で買うこともできます。自転車などを利用してさらに足を延ばせば「昭和記念公園」や「立川」の街。大型商業施設での買い物もエンターテイメントもすぐそこです。
「国立」は、子育て世代からシニアまで、暮らしを自分らしく楽しめる街。そして暮らすほど好きになる街です。
「大学通り」「さくら通り」「谷保天満宮」。「国立」は歩いて楽しい街です。そのせいでしょうか、この街に住む人たちは、日々の暮らしも微笑みを絶やさず、でもしっかりとていねいに、二本の足で歩んでいるようです。そんな「国立」の人たちの暮らしに寄り添う店があります。さりげない、だけど真面目に作られた暮らしの道具を揃えた店「musubi」です。
「いらっしゃいませ」と看板猫のスミくんと一緒に笑顔で迎えてくれたのは店主の坂本眞紀さん。「狭いところで」と恐縮されますが、店内はとても落ち着ける空間。坂本さんが選んださまざまな種類の暮らしの道具が並んでいますが、雑多な雰囲気はみじんもなく、かといって美術館のようなよそよそしさもありません。
「扱っているのは暮らしの道具ですから、クールなのは違うかなと思うんです。住まいって、暮らして行くうちにいつの間にかノイズのようなものが混ざってきますから。うちはお店の奥が私たち家族の暮らしの場所になっているんですが、お店と居住スペースの間には仕切りがなくて、お客さまから私たちの暮らしが見えるようになっています。お店で扱っている道具、それをどう使い、どう役立て、どう片付けているか。お客様に感じていただき、お客様ご自身の使用シーンをイメージしていただけたらと思っています」
坂本さんの一推しは浄法寺漆器の汁椀。ちょっとしたカケやハガレなら修理可能。
手に持っているのは名前と電話番号を刻印できる、猫の迷子首輪。どちらも使い込むうちに色合いが変化し、ツヤが出てくる、愛着がわく道具たち
店で扱っているのは、台所で使うもの、食卓で使うもの、掃除で使うもの、身に着けるものなど、暮らしを支え、豊かにするもの全般です。どれも商社や大手インテリアショップのバイヤーとして活動してきた坂本さんが生活者目線で選んだもので、こだわりを持って制作している作家さんのプロダクトも多く扱っています。
商品は坂本さんが自分でしばらく使った後「やっぱりいいな、ずっと使うよね」と感じたものを揃えている
「私の仕事って、作り手さんと使い手さんを結ぶことだと思っているんです。それもあって、お店を『musubi』と名付けました」
店内に並べられた商品にはさりげなくカードが添えられ、それには品物に関する情報が書いてあります。質問すれば坂本さんがていねいに答えてくれます。さらに、作家さんを招いたワークショップやファクトリーツアーも行っています。
「お客さまと一緒に、竹細工の作り手さんの工房を訪れて竹の刈り取りを体験したり、箒の作り手さんには材料となるホウキモロコシの畑を見せていただいたり箒の作り方を教わったり……素材の種類、選び方、作り方など直接お話を伺うと、作り手さんに対してのリスペクトの気持ちとか、道具への愛着とか、全然違ってきます」
2011年にオープンして今年で13年。いまや「musubi」はていねいな暮らしのための情報が集まる場所になりました。坂本さんや、ワークショップや展示会のために訪れた作家さんが発信するだけでなく、お客さま同士で情報交換することも多くなりました。
「お店って、物を売り買いするだけの場所ではないよね、って思うんです」と坂本さん。「musubi」はこれからも毎日を大切にする国立の人たちに支持され続けるでしょう。
取材協力:musubi
※掲載の情報は、2025年2月時点の情報です