STEP4 購入プランの立て方

知っておきたい「住宅ローン控除」と繰上げ返済のこと

知っておきたい「住宅ローン控除」と繰上げ返済のこと

よく耳にする「住宅ローン控除」や「繰上げ返済」。それぞれ、上手に活用してメリットを受けるには、どのような条件があるのでしょうか。

活用する際の注意点も含め、詳しく解説していきましょう。

「住宅ローン控除」、どうすれば受けられるのか

「住宅ローン」控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、一定の期間、住宅ローンの年末残高の一定割合に相当する金額が、毎年支払う税金(所得税や住民税)から差し引かれるというものです。

居住期間 控除期間 住宅借入金等の年末残高の限度額 控除率 最大控除率
平成26年4月1日
〜平成33年12月31日
10年間 4,000万円 1.00% 400万円

住宅ローン控除を受けるには、主に次のような条件があります。

住宅ローン控除の条件(新築の場合)

  • 床面積(登記面積)が50㎡以上(上限なし)※1
  • 床面積の2分の1以上は自己の居住用であること
  • 住宅取得から6か月以内に自らが入居し、控除を受ける年の年末まで引き続き住んでいること
  • 控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下であること
  • 入居した年及びその前後の2年ずつの5年の間に、居住用財産の買換えや3,000万円の特別控除等の特例を受けていないこと
  • 返済期間が10年以上のローンであること

※1 専有面積が50㎡を超えていても、登記面積が50㎡以上ないと住宅ローン控除を受けられません。専有面積は壁芯で計算、登記面積は内法で計算するので登記面積の方が小さくなります。

なお、「認定住宅」や「認定長期優良住宅」、「認定低炭素住宅」の場合は、控除額がさらに拡充されます(最大500万円)。
中古住宅の場合は、年間控除の限度額は20万円です(再販マンション等を除く)。ほかにも、築年数や耐震適合などの要件があるので、中古住宅の購入を検討する際は注意が必要です。

共働きなら、「ペアローン」も候補に

住宅ローン控除は、所得税と住民税の一定額が控除されるので、受けられる控除額の上限は、所得税と住民税の一定額を合わせた額になります。

例えば、年末の時点で4,000万円の借入残高があったとしても、所得税と住民税の一定額の合計が30万円である場合は、30万円までしか住宅ローン控除を受けられません。配偶者が専業主婦でお子様がいる場合は、扶養親族の控除によって納税額が低くなっているので、注意が必要です。

一方、共働きの場合は夫婦ともに住宅ローン控除を受けることができます。この場合は、夫婦それぞれが自身の名義で住宅ローンを組む「ペアローン」を利用するか、もしくは連帯債務でローンを組む必要があります。夫の単独の債務で妻の年収を収入合算して住宅ローンを組む場合は、夫しか住宅ローン控除が受けられないため、共働き世帯は、ローンを組む際、控除を踏まえて名義と債務をどのようにするか確認しましょう。また、連帯債務の場合は登記の際の持分をベースにそれぞれの債務額が決まります。

ペアローンを利用する場合は、2人で金利タイプや返済期間の異なるローンを組み合わせて返済計画を練ることもできます。将来のライフプランや返済余力を考慮した上で、無理のない組み合わせを考えるとよいでしょう。

ローン完済への近道 「繰り上げ返済」とは

繰り上げ返済とは、毎月の支払とは別に、預貯金や退職金などを利用して、住宅ローンの一部もしくは全部を繰り上げて返済する方法で、支払い利息を大幅に軽減する効果が期待できます。借入額・借入期間・金利によって異なりますが、概して借入額(=繰り入れ返済時の融資残高)が大きく、返済期間が長く、借入金利が高いほど、繰上げ返済の効果は大きくなります。

繰り上げ返済には、大きく分けて「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つがあります。
一般的には「期間短縮型」のほうが、支払い利息の軽減効果が大きくなります。

期間短縮型 繰り上げ返済後の残高を再計算して返済前とほぼ同額で返済するもの。繰り上げ返済した分返済期間が短縮されます。
返済額経験型 繰り上げ返済後も返済期間を短縮せず、その分月々の返済額を軽減するもの。

繰り上げ返済を上手に活用するには

同じ期間で異なる金利タイプの住宅ローンを借りている場合は、借入金利の高いものから繰り上げ返済するほうが支払い利息の軽減効果は大きくなります。金融緩和政策の影響で、現在は住宅ローン金利が低く、毎年の金利負担も低く抑えられています。

そのため、住宅ローン以外に自動車ローンなど金利が高いローンを抱えている場合は、そちらから返済する方がお得です。繰り上げ返済=住宅ローンと決めつけず、家計全体を見て判断しましょう。現在のような低金利で住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン控除が利用できる最初の10年間は、繰り上げ返済を控えるのも1つの考え方です。

なお、繰り上げ返済の条件は、金融機関によって異なりますが、インターネット経由なら手数料が無料の金融機関も多く見受けられます。また、借入時に保証会社を利用して保証料(※2)を一括納付した場合は、繰り上げ返済後に事務手数料を引いた保証料が返還されます。

一方、融資契約の際に支払ったローン事務手数料(※3)は、返還されません。このような仕組みは、金融機関やローンの種類によって異なるので、借入前にしっかりと比較検討しておくことが大切です。

※2住宅ローンは借り入れをする人が個人で、金額が大きく返済期間が長期にわたることから連帯保証人の代わりに信用保証会社の保証(信用保証)をつけることを最低条件としています。この保証料のことを「住宅ローン保証料」といいます。
※3 融資を受ける金融機関に支払う事務手数料のこと。金融機関によっては不要な場合もあります。

アドバイザー

アドバイザー・プロフィール

岡本 郁雄(おかもと いくお)さん

ファイナンシャルプランナーCFP®、経済産業省登録中小企業診断士、宅地建物取引士。2004年に独立し、不動産領域のコンサルタントとして、マーケティング業務、コンサルティング業務、講演、執筆など幅広く活躍中。テレビ・新聞・雑誌などメディア登場暦多数。首都圏中心に延べ3000件以上のマンションのモデルルームや現場を見ておりマーケットにも精通、専門家サイトAll Aboutのマンショントレンド情報を担当する。岡山県倉敷市生まれ。神戸大学工学部卒。

※掲載されている情報は、2017年9月時点のものです。