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世界中で、広く親しまれている発酵食品。それぞれの土地の知恵が生み出した、味わい深い一品です。あれもこれも!世界の発酵シュールストレミングメンマビーツの乳酸発酵漬けザワークラウトナタデココ〔 スウェーデン 〕〔 中国 〕〔 ロシア 〕〔 ドイツ 〕〔 フィリピン 〕世界で一番臭い食品として有名なシュールストレミング。ニシンを塩漬けにし、発酵途中で缶詰にします。缶詰の中でも発酵によるガスがつくられているために、開封時に中身が吹き出す可能性があり、屋外で開けることが推奨されています。ラーメンに欠かせないメンマの独特の風味は乳酸発酵によるもの。麻竹という、そのままでは食べにくい竹を茹でて、発酵、その後に乾燥または塩漬けしたものです。近年では発酵させていないタイプも出回っています。ロシアを代表する野菜であるビーツ。そのまま煮込んで食べるほかに、塩漬けにして乳酸発酵させ、漬物としても食べます。他の野菜の乳酸発酵の漬物と同様に、漬け汁ごと肉と煮込んで食べると美味です。乳酸発酵による、さわやかな酸味が特徴のザワークラウトは、キャベツと塩、スパイスを一緒に漬け込んだものです。ドイツではソーセージの付け合わせによく利用されますが、肉類と煮込んだスープにしても美味です。ダイエット食品としても人気が高いナタデココも、実は発酵食品。酢酸菌がココナッツジュースを発酵する過程でつくり出す、セルロースという食物繊維がゲル化したものを煮出し、シロップ漬けにして仕上げています。ナンプラー〔 タイ 〕タイの魚醤(ぎょしょう)、ナンプラー。生の魚を塩で長期間漬け込み、発酵させた液体です。旨みを凝縮した独特な香りがあり、料理に深いコクをあたえます。タイ料理には欠かすことのできない調味料です。19WINTER 2021

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