Photo / Takahiro Tsuji Text / Akiko Takeba帰る処、出迎える場所に相応しい香りを求めてしていきます。1滴増えるだけでニュアンスが変わるこの作業には、専任の調香スタッフがつきっきりでサポートしてくれます。「まるで自分を探す旅のようだと思うことがあります。お客様自身に何か迷いがある時などは、好みの香りになかなか辿り着けないことがあるんです。そんな時に心掛けているのは、決して焦らせないことと、余計な情報を与えないことです。例えば『ラベンダーにはリラックス効果がある』など効能について言及してしまうと、その情報に左右されてしまい、自分にとって心地良い香りが生まれないことがあるんです」 睡眠時、バスタイム、玄関の扉を開けた瞬間……。フレグランスが使われる状況をイメージさせる言葉を 昔から職人や町工場が多く、近年は感度の高いクリエーターが集まり、“ものづくりの街”として話題の台東区蔵前。この街に昨年オープンした『kako （家香） OSAJI 蔵前店』は、 “家の香り”、つまりホームフレグランスを調香できる店です。「なぜか落ち着く香りというものを、誰しもが記憶の中に持っています。家に帰ってきた時、出迎えてくれた匂いにほっとした経験はほとんどの方がお持ちなのではないでしょうか？」と家香師の西山智子さん。 調香作業が行われるのはスタイリッシュなバーのような雰囲気のカウンター。このために作られた12種類のオリジナルエッセンシャルオイルから、4種の香りを選び、それらをグラスに1滴ずつ加えながら調整（ ホームフレグランス ）kako （家香）OSAJI 蔵前店MADE-TO-ORDER東京都台東区蔵前4-20-12 1F https://osaji.net/kako“ものづくりの街”蔵前に誕生した香りのラボ8 SPRING 2022
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