スペシャル

安心と安全

品質管理部担当者が語る、品質への使命感
「お客様の立場×プロの視点」でチェック

「安心・安全な住まいづくり」を進める上で欠かせないのが建築工程や完成した住戸を厳しくチェックする、専門家の視点。
設計段階から完成まで、厳格な品質の確認が繰り返し行われます。
各分野の担当者に、“ゆずれない品質へのこだわり”について聞きました。

野村不動産 住宅事業本部 品質管理部 建設管理課

前田 貞夫

まえだ・さだお/総合建設会社を経て、2009年に野村不動産入社。建築中心に、着工から竣工まで施工現場との橋渡し、取りまとめを担当。

野村不動産 住宅事業本部 品質管理部 技術課

宇野 弘蔵

うの・こうぞう/2006年入社。設備担当として、空調・換気や給排水などの機械設備、電気設備・通信設備などのチェックに当たる。

野村不動産 住宅事業本部 品質管理部 技術課

小宅 恭史

おやけ・たかふみ/総合建設会社を経て、2015年に野村不動産入社。構造担当として、杭や柱・梁など構造部分の設計・施工に対する確認を行う。

「現場主義のチェック体制は野村不動産ならでは、です」

プラウドの品質管理を担っているのは、一級建築士有資格者を含む、住まいづくりの専門家集団である品質管理部。建築・構造・設備の各部門に分かれて、それぞれが担当する物件に日々目を光らせています。

小宅
小宅

私は他社の設計部門から当社に転職して来たのですが、入社して驚いたのは 検査回数の多さです。たとえば私が担当している構造の分野では、配筋検査というものがあります。柱や梁など建物の構 造部分に使用する鉄筋が設計図書通りに組まれているかどうかを、コンクリート打設前に確認する検査です。またコンクリートの打設後には、躯体検査というものもあります。柱や梁などのコンクリートが適切に施工されているか確認する検査です。こうした構造部の検査を事業主である自分たちも確認します。工程全体で見れば、より多くの目で確かめることで、高品質な商品を提供できるように努めているということでもあります

それは構造のみならず、建築・設備面においても同様です。

宇野
宇野

一般的には、マンションの事業主が、自らそこまで検査する例は少ないのではないでしょうか。しかし当社では、検査においても“まずは自分の目で確かめること”が、ルールとして根付いているのです

品質管理部が検査を行うのは施工現場だけではありません。設計図の段階から、既に検査は始まっています。

前田
前田

設計やデザインを担当する推進部門から、図面が上がってきます。まずそこで、施工計画に無理や不具合がないかという視点からチェックします。OKが出て着工に至ると、今度はその図面通りに正しく施工されているかどうかを確認するため、引き続き現場に足を運ぶのです

宇野
宇野

設備担当にも巡回を専門に担当している専任者がいて、月に一度は現場を訪れます。ゼネコンの方に『これだけの頻度で来るのは、野村さんぐらいですよ』と言われるほどです。もし不具合の芽があるならば、早めに取り除く必要がありますから

設備で不具合が発生しやすいのは、“接続忘れ”や“つなぎ忘れ”によるもの。給排水設備の管や電気配線などは、天井や壁で隠れてしまうため、内装作業が始まると見ることができません。そのため設備担当は、常に早めの段階での確認を心掛けています。

コンクリート打設前の配筋状況が適切であるかを確認

緩衝材となるスリット材の施工箇所をシールで示し、ミスを排除

コンクリート打設後のスリーブの状況を目視で確認

配管の接続や接着状況を確認できるよう継手を透明化

コンセントやスイッチの位置をあらかじめ赤印で墨出し

排水に必要な勾配の確認も欠かせません

床や壁の断熱ウレタンの厚みを、ピンを刺すことにより確認。厚みが異なるため複数のピンを使用

下がり天井との固定個所など、すべてのビスがしっかり固定されているか確認

確かな品質をキープするために大切にしていること

厳しくチェックする“プロの目”を、共有し継承するための取り組みも行っています。その一例が、品質について定めた『集合住宅設計基準、集合住宅マニュアル』。品質管理部のみならず、“ものづくり”に関わる全ての社員が、必要なときはいつでも参照できるようになっています。

その冒頭にあるのが、次の一文です。“このマニュアルは、機械的に運用するものではなく、創意工夫を促すものです”マニュアルが絶対ではない、一人ひとりが考えを深めてほしいというポリシーが、ここには込められています。

60年以上に渡る住まいづくりの英知がまとめられた設計基準やマニュアル類
前田
前田

私は施工会社から転職してきたのですが、この一文には非常に共感しました。 当社が誇れることの一つです

そしてなにより、私たちが重要視しているのが、“図面”です。

宇野
宇野

住まいづくりには、とても多くの職種が関わります。その全員がコミュニケーションをとるための言わば“共通言語”となるのが、設計図や施工図といった“図面”なのです。たとえば何か変更があるとき、口頭の伝達だけでは正しく伝わらない恐れがあり、不具合の元ともなりかねません。ですから、些細な変更でも必ず“図面”に反映して情報の共有を図ることが大切です。どんなに時間が無い状況でも、これは基本中の基本として皆が大事にしています

入居されてから何年先をも見据えた安心と安全をお届け

安心・安全な住まいをつくることは、もちろん最優先の課題。しかし、それだけに留まりません。お客さまのご入居後の暮らしに想いを巡らせることで、さまざまな気付きが生まれ、改善・解消につながっていきます。

小宅
小宅

検査対象の物件を前にしてイメージするのは、“購入して、ここに暮らしている自分の姿”です。お客さまの視点に立ち“自分ごと”としてとらえることで、初めて見えるものもあります

宇野
宇野

プラウドにとって、デザイン性は重要な要素の一つです。でも住まわれる方にとっては、それだけが全てではありません。第一に安全でなくてはならないし、お住まいになった際の機能性やメンテナンスのことも考えなくてはなりません。 そうした側面から判断し、気付くことがあれば、社内で共有するようにしています

最大の目的は、お客さまに安心・安全なお住まいを提供すること。だから入居後の管理業務を担当する野村不動産パートナーズとの連携も欠かせません。万が一、不具合があれば、その情報は各担当部署にフィードバックし、以降の“ものづくり”に役立てられます。

前田
前田

完成後はアフターサービス部門や管理会社に任せきりでは、私たち作り手は成長しません。お客さまがお住まいになってからが、本当の始まりなのです