グッドデザイン賞受賞レポートZUTTOCITY
~プラウドシティ塚口~【後編】

JR塚口駅のすぐ目の前。交通至便なロケーションに建設された「ZUTTOCITY」。総面積約8.5haという広大な敷地は、“ずっと住みたい街”として生まれ変わり、マンション・戸建て合わせて1271戸の暮らしが息づいています。
後編ではいよいよ、住み心地の良さを実現するために施されたさまざまな工夫についてご紹介します。

1 実現されたアイデア

“ずっと住みたくなる”ための工夫とは?

「ずっと住みたい街とは何か」。そんなテーマをもとに、ZUTTOCITYプロジェクトチームでは幾度も話し合いを重ねました。デベロッパーという立場をいったん離れ、子どもに戻ったような無邪気な気持ちでアイデアを出し合った結果、「マンションに森や川」「みんなで入れる足湯」「音楽祭を開ける野外ステージ」「お花見ができる桜の丘」などの声があがってきました。
そして、これらのアイデアを実現する舞台となったのが、「みんなの森」です。

“故郷の森”と呼ばれる夢を託した
「みんなの森」

ZUTTOCITYの中心に位置する「みんなの森」は、単なる緑地という規模を超え、木々が濃い影を落とし、四季の花が咲く本当の“森”を目指して計画が立てられました。「ひとつの街をつくる」というコンセプト実現のための、最も重要で、中心となったプランです。

約8,000㎡の広さを持つ森には、製菓工場だった頃の記憶を引き継ぐ桜の樹を移植し、広場の真ん中にはシンボルツリーが植えられました。木陰のあるところにはおのずと人が集い、子どもたちの遊び場が生まれています。子どもたちだけで自由に冒険ができるのも、セキュリティに守られた森ならでは。年月とともにさらに緑は濃く茂り、いつかそこは“故郷の森”と呼ばれるようになっていくに違いありません。

森の水辺

「みんなの森」には、いつも小川のせせらぎが響いています。川の一部は自然を再現したビオトープとなっていて、さまざまな水草が生い茂り、涼しげな草陰が生まれています。爽やかな朝の通勤・通学時、子どもたちの声があふれる午後の時間、水音が響く夜の帰宅時……水辺はさまざまな表情で、豊かな暮らしに潤いを与えてくれています。

森の見晴らし台

広場を見渡せる物見櫓は、子どもたちのお気に入り。待ち合わせの場所として、ワクワクするような秘密基地として、いつも元気な声が聞こえます。ここで刻んだ思い出は、大人になってもきっと覚えているはず。

足湯

服を着たまま気軽に使える足湯コーナーも設置。ここは子育て世代からシニア世代まで、幅広い年齢層のコミュニケーションが生まれる場所。ほっこりと心も体も休まる暖かさに、思わずおしゃべりも弾みます。

世代を超えたコミュニティの輪が広がる
「アメニティー・プラザ」

子どもを通しての家族ぐるみのおつきあいや、趣味のサークル仲間、朝夕のジョギングで挨拶を交わすようになった顔見知りなど、「ZUTTOCITY」には、心地よいコミュニティが育まれています。
その拠点となっているのが、別棟として設けた共用棟「アメニティー・プラザ」。
赤ちゃんからシニア層まで、あらゆる世代が気軽に利用でき、さまざまな活動を通して交流ができるよう、数多くの施設が用意されています。

フィットネスルーム

フローリングの床と大型ミラーを備えたフィットネスルームには、あえてトレーニングマシンは設置せず、多彩な使い方が可能なスペースとして利用されています。さっそくヨガマスターの住人を先生に、教室が開かれているとか。

クラフトルーム

工具の借り出しも可能なクラフトルームでは、日曜大工や子どもたちの工作もOK。住人が先生となって指導する雑貨づくりサークルも人気です。

キッズルーム

雨の日にも子どもたちが遊べるスペースがあるといいな……そんな願いを叶えたのが、キッズルームです。持ち寄りの絵本や玩具の交換を通じて、子育て世代の情報交換の場にもなり、家族同士の交流も生まれています。

屋上菜園

利用希望の最も多い屋上菜園では、家庭菜園の教室を実施。

プレイグラウンド

自由にボール遊びができる施設は、今では貴重な存在。フットサルやバスケットボールを楽しむ住人でいつも賑わっています。

実際の住み心地はどうなのか。お住いの方の声を聞いてみました。

初めてみんなの森を見たときは、その大きさにびっくり!
川のせせらぎも聞こえて、とても安らぎます。共働きだからこそ地域との関わりが大切。
マンション内でのイベントも毎回楽しみです。

子どもが小さいので、いろんな遊び方ができる「みんなの森」は魅力でした。
住人だけの森なので、子どもが大きくなって自分たちだけで遊ぶようになっても安心です。

大規模なので住んでいるご家族も多く、すぐに友達もできそうです。
共用施設が充実しているのも気に入っています。「アメニティ・プラザ」で夫婦一緒に楽しめる趣味も見つけたのもうれしいです。

駅前なのに緑がある。小学生の息子が育つ環境として最適だと思いました。

2 “ストレス軽減”が、快適性につながる

ストレスのない暮らしとは?

住み心地の良さについて考えた時、それは暮らしの中でのちょっとしたストレスが軽減されていることではないか――そんな気づきが、ZUTTOCITYのプランニング段階で生まれました。
たとえば、全戸から駅までの回廊に屋根が設けられていて、雨の日にも傘をささずに行けること。酷暑の夏には屋根に設置されたミストが涼しさを届けます。

「住むだけでエコ」な暮らしができる

また、エコライフ推進のため、各住戸の電力消費量を30分ごとに検診し、自宅のテレビで確認できる「電力の見える化」を実現。ZUTTOCITYや周辺の店舗の協力で実現した地域通貨「ZUTTO・ECOまいポ」との連携によって、夏冬の電力消費ピーク時にエアコンを切って外出するだけでポイントがたまるなどのシステムを導入。「住むだけでエコ」な暮らしがストレスなく続けられます。

3 人と人をつなげていく仕組みづくり

コミュニティづくりのプロが活動を支援

縁あってZUTTOCITY住む隣人同士が、より良い関係を築き、末永く協力しあっていくにはどうしたらいいか――これもまた、街づくりの重要な要素です。 そこで、出会いのきっかけとなるウエルカムパーティーやサークル活動の立ち上げ支援など、独自のプログラムをつくり、多世代がともに暮らしを作り上げていく仕組みを考えました。

サポートするのは、コミュニティづくりのプロフェッショナル集団、「フォーシーカンパニー」のスタッフ。アメニティー・プラザの1階に常駐し、さまざまな活動を支援します。

七夕や夏祭り、クリスマスといった季節ごとのイベントでは、住民参加の飾り付けやミニコンサートを開催。かき氷コーナーやクイズラリー大会など、アミューズメントが満載の夏祭りでは、森のステージを囲んでたくさんの家族が夏の一日を楽しみました。
また、アメニティー・プラザ1階のカフェラウンジでは、本の寄付を募ったライブラリーコーナーも開設しています。

住民主導を見据えた取り組み

サークル活動については、立ち上げに始まり、組織づくりや会計などのノウハウを伝えつつ、いずれは住民だけで運営していけるよう引き継ぎをしていく予定です。

新しい“街”として誕生したZUTTOCITY。
1271世帯がそれぞれの人生を紡ぎ、日々の暮らしを積み重ねています。
すべての世代、すべての人にとって心地よい街づくりを目指し、街と人がともに成長していく――ZUTTOCITYの未来は、今も創造され続けています。

<グッドデザイン賞とは>

グッドデザイン賞は、さまざまに展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちの暮らし、産業、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。

受賞作品一覧はこちら

< ZUTTOCITY~プラウドシティ塚口~前編

※掲載の情報は、2019年3月時点の情報です