時と共に深まるデザイン

グッドデザイン賞

製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、かたちのある無しにかかわらず、
理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえその質を評価するグッドデザイン賞。
2020年度はグッドデザイン・ベスト100に選ばれた「床快full(ゆかいふる)」を含め、野村不動産グループで10プロジェクト受賞いたしました。

床快full(ゆかいふる)

GOOD DESIGN AWARD 2020 BEST 100

みんなが健康で笑顔になる暮らしの住まいを提供したい。そこで、マンション特有の二重床と気密性・断熱性の向上に着目。二重床を経由して空気を循環させる事で、床から心地よい空気で、住戸全体がいつでもどこでも快適になる事を考えた。床壁天井の輻射効果は健康で心地よい。空調システムをシンプルにする事で操作性と汎用性を高めている。

審査員評価コメント

マンションでの省エネ・省CO2化を目指す、新しい床空調システムの取り組みである。このタイプの商品は、設備機器が特殊でイニシャルコストが高くなる傾向があるが、床快fullは、1台のビルトインエアコン(汎用品)と全熱交換器で床から住戸全体の空調をまかなう。シンプルな空調システムと、温度制御や快適さの標準化を両立させる技術は、時間とエネルギーを要する開発だったと想像される。高気密・高断熱・二重床というマンションの特長を生かした本件は、コストやメンテナンスの問題を解決したことで、さらに一般化できる道筋がついていると思う。すでに1000戸以上の実績もあり、今後ますます拡充する期待を込めて今回の受賞となった。

プラウド上原フォレスト

プラウド上原フォレスト

日本初ハイブリッド型リノベーションとして、築35年の集合住宅の内装・設備改修と、容積緩和を活用し増築を伴った既存ストック再生計画。重厚な意匠や素材、成熟した緑を最大限保存しながら、展開可能な開発技術によって耐震性・住環境を向上し建物価値の向上を図った。持続可能なストック社会に向け、既存住宅の新たな活用方法を実現した。

審査員評価コメント

一棟リノベーションの可能性を大きく広げる、挑戦的プロジェクトである。古い建築物には、歴史的なものでなくとも、施工当時の素材やデザインの流行が残されており、味わいや豊かさは現代ではなかなか得難いものがある。この建築は特に、意匠性に優れた佇まいを有しており、増築を行うことによって事業性を担保し保存につなげたのは素晴らしい。こうした取り組みは、優れた実例がひろく知られることで、社会の価値観が少しずつ変わってゆくものだ。そうした意味で、この計画は極めて高い質を有しており、リノベーションにおける新しいムーブメントの着火点となることを期待したい。

プラウドシティ東雲キャナルマークス

プラウドシティ東雲キャナルマークス

近年、住まいの開発が著しい江東区東雲・豊洲エリアに建つ集合住宅。都心近郊のタワーマンションが林立する湾岸エリアにて、都心でありながらも、豊かで・安心できる生活を享受できる住まいを再考した結果、自然を内包させ、接地性を重視した敷地利用・建物計画とし、永く住み続けるに値する生活空間・地域への価値の創出を目指した。

審査員評価コメント

集合住宅の配置計画は、採光などの条件から、なかなか特徴を出しにくいが、ここでは敷地の広さとのバランスで、奇跡的にオーバルのプランを成立させている。結果的に生まれた大きな中庭は、この住戸数が集ってこその価値を体現している。またこの中庭を、1F共用部と連動させて利用するなど、COVID-19の影響によって注目が集まった住近接を先取りした計画も実現しており、暮らしへの新たな価値観の提示という姿勢も素晴らしい。

プラウド港北センター北

プラウド港北センター北

横浜市港北区センター北に建つ分譲マンションのファサードデザインに対する提案。断面形の異なる複数のルーバーで構成される可動格子は、通気性を確保し、日射遮蔽・視線交錯の低減を居住者の意思に沿って行う事を実現。 都市部の居住環境向上をはかり、整然とした街並みに馴染む端正さの中に動的な”ゆらぎ”と”変化”与えるデザインとした。

審査員評価コメント

プライバシーの確保や、日射を遮るための手だてとしての格子ルーバーはごく一般的であるが、プラウド港北センター北では、これまでにない格子ルーバーを実現している。本プロジェクトの可動格子や手摺は、詳細に検討された複数の断面寸法や色味で構成されており、可動格子については、入居者自身が自由に動かすことができる。日射の角度や強さにあわせて、移動した格子が創り出すファサードは、日々変化し、他の集合住宅の外観とは全く違うものになるであろう。入居者にとっても、外観の現れ方に自分が関わることにより、長く愛着を持てるのではないかと思う。外観のルーバーラインが通るようにユニットデザインを整えつつも、変化するファサードを入居者自身が作り出せる点が、高く評価された。

プラウドシティ仙台上杉山通

プラウドシティ仙台上杉山通

仙台「杜の都」緑の名所100選に名を連ねる愛宕上杉通に面した全209邸の大規模集合住宅。本敷地は、東北大学農学部雨宮キャンパスがあった場所であり、商業施設・病院との一体複合開発の一角に建つ。かつてここに多くの人が学んだ学舎としての地歴を踏まえ、マンションの内外に「学び」をテーマにした施策を実施した計画である。

審査員評価コメント

この計画の最大の評価ポイントは、計画的に必要だった大きなボリュームを敷地になじませるファサードのデザインだ。広い面をできる限りヒューマンスケールに落とし込むことが目標となるが、ここでは全体的な水平な構成を保ちながら、様々な寸法でマテリアルを切り替え、柔らかでゆらぎのあるファサードを生み出している。ボリュームレベルで細かく分割してゆくのとは異なる手法がとても興味深い。

コトノマ

コトノマ

京王線府中駅徒歩12分、公園に近接した22戸の戸建街区の計画。街路と住宅の中間領域の作り方に着目し、さまざまな「コト」が生まれるように住宅と一体の半屋外空間「コトノマ」を設けている。生活の一部が街路に表出することで、地域住民とのコミュニケーションや防犯の役割を持つ、開放的な日本家屋の縁側・土間のような機能を果たしている。

審査員評価コメント

戸建街区の計画において、南側に庭をつくらずに「コトノマ」という中間領域を設けることで人の気配を感じられる街並みを生み出している。このプロジェクトの真骨頂は、物理的な美しさというより、人の気配である安心感がつくるものであり、生活が滲み出した楽しさがある。時間を経てより魅力が増していくことに期待したい。

アトラクティブ30

※野村不動産株式会社、野村不動産パートナーズ株式会社の共同受賞

アトラクティブ30

新築入居時からの経年とともに価値が向上するマンションを提供していきたい。そこで、長期修繕計画に着目。居住者への修繕負担軽減による「安心」と、リニューアルによる「満足」を両立させるため、デベロッパーの企画設計ノウハウと管理会社の維持管理ノウハウを融合し、高耐久の仕様とリニューアルによる価値向上を組み合わせた仕組みを考案。

審査員評価コメント

どの集合住宅でも長期修繕の積立金が雪だるま式に膨らみ、究極の話、最後まで住み続けられないという話を聞く。確かに台風や地震の被害が大きくなり、想定外のメンテナンスが発生する機会も増えてきているが、本プロジェクトでは、そもそも12年という長期修繕の一般的なタイムスパン自体が問題だというように創造的に問いを立てた。根底を疑うその姿勢が素晴らしいと思う。外装タイルの接着剤やシート防水の性能をメーカーと協働して向上させることで12年を16~18年に伸ばすのは、小さなことにも感じるが50年というライフスパンで考えると実は非常に大きい。業界の慣習そのものをリデザインすることで社会デザインにつながる素晴らしいデザイン行為だと思う。

一般社団法人幕張ベイパークエリアマネジメント(B-Pam)

※野村不動産株式会社、一般社団法人幕張ベイパークエリアマネジメント、三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、伊藤忠都市開発株式会社、東方地所株式会社、株式会社富士見地所、袖ヶ浦興業株式会社の共同受賞

一般社団法人幕張ベイパークエリアマネジメント(B-Pam)

街での生活価値を高める為に賑わいのある街を目指す幕張ベイパーク。継続的な街の価値向上の為、住民や店舗が主体となって取り組む「街そだて」の仕組みとして(一社)幕張ベイパークエリアマネジメント(B-Pam)を設立。ゼロから始める街づくりであることを活かした組織設計と事前活動により、街びらき後1年で既に活動が活性化している。

審査員評価コメント

コミュニティの形成を考えるときに課題となるのが、参加者の善意に委ねるだけでなく、いかに持続可能な仕組みをデザインするかだと思う。幕張ベイパークエリアマネジメントでは自治会・商店会などの機能を統合することにより、コミュニケーションを円滑なものとした。またマンション管理組合向けのサービスを提供することで収益事業を内包し、立ち上げ時の関係者が離れてしまっても自立するようにあらかじめ担い手を募集することで、持続可能な組織も目指している。多くのコミュニティビルディングで直面する課題に真正面から取り組んだことを評価した。

共創プログラム:まちおに

共創プログラム:まちおに

開発によって新設される⼩学校が地域のHUBとなり、⼩学校を起点にコミュニティがつながり拡がることになればと、周辺⼩学校を対象に共創プログラム「まちおに」を設計。参加者みんなが⼀緒に楽しめ対等に活躍できる(マッチする)ルールを⾃分たちで⼯夫し考えながら、まちのオリジナル⻤ごっこを共創し、学区を超えたコミュニティで共有する。

審査員評価コメント

地域の人たちの心をひとつにまとめるために、鬼ごっこという遊びに着目した点がユニーク。誰もがそのルールや楽しさを知っていることが、多くの子供たちの参加につながっている。他のスポーツと組み合わせることで遊び方が無限大に広がるだけでなく、みんなで新しいルールを考え、遊び、感想をシェアするワークショップを開催するなど、参加する子供たちの創造力を育む取り組みも素晴らしい。

こどもみらいプロジェクト

こどもみらいプロジェクト

共働き世帯を取り巻く教育環境をサポート、女性の社会進出が増えている現状において、忙しい生活の中で子どものために教育環境を提供する「時間」を捻出するため、新しい子供会の形。

審査員評価コメント

スポーツクラブによる子供の居場所づくりの取り組み。学童保育中の運動指導や送迎付き授業受託による、保護者の負担を減らしながら子供の運動機会を拡大している点が評価された。また14000人以上がイベントに参加するなど、コミュニティ創出にも寄与している。教員への指導研修などを通したプロコーチによる教育貢献にも取り組んでおり、活動の継続と拡大を期待して受賞対象とさせて頂いた。