グッドデザイン賞受賞レポート「アトラクティブ30」〜マンションライフの未来を見据えた新たな取り組み〜

新築マンションを買うときに、30年後の姿を思い描く人はそれほど多くはないかもしれません。でも、必ずいつかは「老朽化」に向き合う日がやってきます。そんな「いつか」を見越し、経年劣化に負けない、長く安心してマンションライフを楽しむための仕組みが、いま注目を集めています。
住んでからのことを、住む前に。
お客様から「売って終わり、ではない姿勢を感じました」との声をいただいた新しい取り組み、「アトラクティブ30」についてご紹介します。

1 なぜ、マンションの大規模修繕は12年ごとなのか

「どうして、まだ傷んでいないバルコニーまで改修する必要があるのだろう?」
これは、ひとりの野村不動産社員が、築12年となる自宅マンションの大規模修繕の際に抱いた素朴な疑問でした。
そもそも大規模修繕とは、マンションの老朽化を防止するため、長期的な計画を立て、外壁塗装やタイル、屋上防水、鉄部塗装などを点検し、修繕を施す工事のこと。業者との打ち合わせを含め、マンションの管理組合業務の中でも最も大きな割合を占める作業で、所有者はそのための費用として毎月修繕積立金を支払っています。

現在、マンション大規模修繕の多くは12年周期で行われています。ではなぜ、12年なのでしょうか。その理由は、外壁タイルにありました。
外壁タイルの崩落事故などを未然に防ぐため、法律では「10年以内に、壁面全面をハンマーなどで叩いて検査するか、そこから3年以内に大規模修繕を施すこと」が決められています。検査には壁面を覆う足場を組む必要がある場合が多く、どうせ足場を組むのなら、そのついでに屋上や各戸バルコニー内側の防水工事も一緒にやってしまおう……というのが、「大規模修繕は12~13年に一度」という周期となって定着していたのです。

「50年、60年と住み続けるマンションで、この12年周期を延長することができれば、大規模修繕の負担は大幅に減るのではないか」
その社員は、自らの経験をもとに、大規模修繕を根本から見直すことを決意。それをもとに、新築の時点から修繕のための負担の少ない建て方をすることで、長く安心して住めるマンションが実現できる仕組みを考えました。それが、「アトラクティブ30」という取り組みです。

2 修繕の時期を延ばし、
コストを抑える「アトラクティブ30」

プラウド世田谷代田 外観完成予想CG

マンション大規模修繕の周期を長くするために着目したのが、タイル工事、外壁塗装、防水工事でした。
「アトラクティブ30」では、外壁タイルのうち大規模修繕の際に外部足場が必要な部分には、従来のモルタル張りに代えて、はがれにくい有機系接着剤張り工法に変更。これによりタイルの落下事故を防ぎ、12〜13年に一度の大規模修繕の縛りがなくなりました。

(㈱竹中工務店「トータルフレックス工法」についてのwebサイトを参考に、当社にて作成)
(㈱竹中工務店「トータルフレックス工法」についてのwebサイトを参考に、当社にて作成)

屋上防水は、一般的に採用される10年保証のアスファルト防水やシート防水に代わり、15年の高耐久を実現する新仕様の防水を採用しています。それ以外の塗装部分にも、ゼネコンと共同研究した耐久性に優れた塗装材やシール材を採用することで、耐用年数を延ばすことができました。

参考写真
参考写真

外壁塗装と防水工事については、「アトラクティブ30」に先行して、マンション管理会社である野村不動産パートナーズが取り組んでいた「re:Premium(リ・プレミアム)」で蓄積したノウハウも役立ちました。

次に、新築時にしかできない取り組みとして「アトラクティブ30」が着手したのが、交換時に高額な費用が発生するアルミ手すりや給排水管の見直しでした。アルミ手すりの芯材には腐食しにくいステンレスやアルミを採用。給排水管には、耐食性、耐薬品性に優れた樹脂製※を採用することで、交換時期を長周期化することができました。

※一部の物件ではステンレス製給水管採用

芯材にアルミまたはステンレス

こうした取り組みによって、大規模修繕工事の周期は16~18年へと延長し、たとえば60年住み続ける間に、大規模修繕が2回減らせることになりました。さらに、交換に高額な費用が発生する給排水管やアルミ手すりの寿命が長くなったことで、修繕工事費用を大幅に低減させることができました。

3 安心して長く
マンションライフを楽しむために

イメージ
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12年という長期修繕の一般的なタイムスパン自体を疑問に感じ、根本から問い直した今回の取り組みは、グッドデザイン賞の審査員から「12年を16〜18年に延ばすということは小さなことにも感じるが、50年というライフスパンで考えれば実は非常に大きい」と高い評価を得ました。

「アトラクティブ30」は、2019年からプラウドマンションシリーズに導入されています。外見ではわかりにくい取り組みであるにもかかわらず、多くのお客様から「修繕に限らず、いい材料を使っているのは安心」「住んでからのことを考えてくれるのはうれしい」といった多くの反響が寄せられています。
「アトラクティブ30」は、言い換えれば「質の高いものを大切に長く使う」こと。安心して長くマンションライフを楽しむための新しい常識となりつつあるのです。

<グッドデザイン賞とは>

グッドデザイン賞は、さまざまに展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちの暮らし、産業、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています。

受賞作品一覧はこちら

― アトラクティブ30対応物件 ―

  • プラウドシティ豊田多摩平の森

    JR中央線始発「豊田」駅徒歩9~11分。商業・学校・病院・公園等が徒歩圏に揃う全637邸の大規模レジデンス

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  • プラウド五反田

    JR山手線「五反田」駅徒歩6分。職住融合共用空間を備えた、コンパクトレジデンス全174邸

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※掲載の情報は、2024年3月時点の情報です

※掲載の完成予想CGは、計画段階の図面を基に描き起こしたCGで実際とは異なります。家具・調度品等を含め、今後変更になる可能性があります。なお、完成予想図は各種機器・配管・素材等および周辺建物・電柱・架線は一部省略、または簡略化しております。植栽は特定の季節の状況を示すものではありません。竣工時に完成予想図程度には成長しません。樹種は一部変更になる場合があります。タイルや各種部材等につきましては、実際と質感・色等の見え方が異なる可能性があります。また、今後変更になる可能性があります。