【INTERVIEW 01】遊びは、最高の学び。この街だからできる多彩な体験が、未来を描くパレットになる。 東京学芸大学(約540m~580m)※1

東京学芸大学教授(教育学部)
NPO東京学芸大こども未来研究所副理事長

鉃矢 悦朗 先生

Tetsuya Etsuroh

専門は立体・空間デザイン、デザイン教育。鉃矢悦朗建築事務所から2002年東京学芸大へ転じ、現在に至る。NPOのモットーである「遊びは最高の学び」に出会い、教育・研究活動をさらに面白く深めている。

01

子どもは遊びながら学ぶ。
カラダ、心、脳を育み、生きる力を獲得する

「遊びは最高の学び」──これが私の研究のキーワードです。
子どもは本来、好奇心と行動力に満ちており、隙間があれば入りますし、キレイな石があればポケットに入れます。なんでも遊びにして、どこでも遊ぶ。遊びをどんどん発明します。そして、遊びの中で「小さい子にはボールをゆっくり投げてあげよう」と自分たちなりにルールを考えたり、周りの大人や友達を見て遊びのヒントにすることで、社会性や工夫といった「生きる力」を獲得していきます。ところが、人間は使わない能力は衰えるため、おもちゃやゲームなど「与えられた遊び」や体験が主になると、遊びを発明する能力は減退します。私は学芸大学で、展覧会やワークショップなど実際の制作や運営を通してデザイン教育を行っていますが、学生が子ども向けワークショップの企画を行う際、「遊ぶように学べるか」「子どもたちが自ら探求できるか」「上から教える形になっていないか」という点は特に重視しています。

研究室で語る鉃矢教授

02

教育熱心なエリア特性を背景に、
この街ならではの自然環境が遊びを誘発

今年の卒業制作では「夜の農園を歩こう」というワークショップが企画されました。懐中電灯も消し、五感を研ぎ澄ませるとどうなるか? と体験するものです。ほかにも、国分寺崖線という独特の地形を生かした「はけの崖線を歩く」企画を社会の先生がやったり、体育の先生が森の中のプールでスイミング公開講座を行ったり。そういった催しは学内に限りません。

東京学芸大学が持つ教育に関するノウハウを地域・社会に還元していくことを目指した「東京学芸大こども未来研究所」と、野村不動産ライフ&スポーツの共同研究で生まれたカリキュラム〈遊びの発明プログラム〉もその一つです。メガロスのアフタースクールでカリキュラムとして展開してもらっています。これは、遊びの発明をテーマに、子どもたちが自ら考え、相談し、生み出していくプロセスによって自己有用感を養うプログラムになります。

武蔵野エリアはもともと知識人の保養地であった歴史から、教育熱心な人が多いことで知られています。武蔵野美術大学の先生が国分寺でワークショップをやったり、「武蔵野はらっぱ祭り」で子どもたちが長い丸太で小屋を作ったり…と子どもを中心としたイベントも多彩です。遊びの層が厚い、ともいえるでしょう。もちろん、イベント参加だけが遊びではありません。近隣には野川公園もあり、はだしで水遊びしたり、親子で川エビを捕ってみたり、自分が「面白い!」と思うことを自由に探し、遊べる豊かな環境が備わっています。

小金井公園(約2,720m)※2

03

さまざまな経験を通じ、多様な価値観に触れ
子どもたちはパレットに色を重ねていく

色数が少ない「パレット」ではワクワクが生まれにくいように、子どもの心のパレットに記憶や体験という絵の具が少ないと、新しい発想や気づきは生まれにくい。
小金井エリアは催しや地域を通じ、親と先生以外の大人との交流から多様な価値観に触れる機会に恵まれています。このような体験がパレットを豊かにします。では、子どもの遊びや学びに親の出る幕はないか? といえば違います。むしろ、親こそ家で真剣に遊んでいただきたい。音楽に没頭するでも、車が好きなら洗車するでもOK。大人の真剣さを近くで体感することで、子どもたちはいろいろなことを吸収します。本物件のプランにおいても、子どもの育み環境を考えた工夫が多く見られますね。スタディブースや「こもりスペース」を、子どもだけじゃなく、大人も積極的に使って本気で仕事に取り組む様子を見せてほしいと思います。そして、失敗する姿も見せてください。失敗は負けや挫折ではなく「悔しい学び」「惜しい学び」につながっているんだと。すると、子どもは課題に対し、失敗を恐れずに動く姿勢を獲得します。これもまた、「生きる力」のひとつですね。周辺環境と家庭。様々な遊び場が、子どもたちをより豊かに育てることでしょう。

環境・プロダクトデザイン研究室(東京学芸大学内)

COLUMN

東京学芸大学

「学芸の森」とも呼ばれる、緑豊かで開放的なキャンパス。
街にひらき、地域コミュニティの場となる図書館カフェも

東京学芸大学のキャンパスは、教育的利用のために豊かな自然環境が保護・整備されています。市民が利用できる田んぼや畑、子どもたちが伸びのびと遊べる冒険遊び場「いけとおがわのプレーパーク」などがあるほか、図書館内には地域に開いたカフェ「東京学芸大学図書館カフェ note cafe」も。街とつながる大学として、地域住民との交流の場を創出しています。

ケヤキ広場

東京学芸大学図書館カフェ note cafe

地域に愛される
憩いのキャンパス

キャンパス内には、地域の人に愛されるケヤキ広場があります。図書館の前に広がるこの広場にはウッドデッキが施工され、子どもたちが自由に遊ぶ姿が。学生や教職員による彫刻作品の展示もされています。

いけとおがわのプレーパーク

学芸の森では養鶏も

野菜を育てている畑「彩色園」

園内ではお茶の木も育てている

【INTERVIEW 01】子供は遊びながら学ぶ

【INTERVIEW 02】地域ぐるみの子育て

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