センスの良い街並み、最先端のショップ、閑静な住宅街、豊富な緑……。たくさんの顔を持ち、それが絶妙なバランスで溶け合い、おだやかな時間をすごせる街、自由が丘をご紹介します。

1 自由が丘の街を歩く

散歩の途中で
素敵な店や人に出会える街

自由が丘には小ぶりな建物が多く、お店も路面店が中心。高い意識とスタイルでファンを持つ、センスのよいお店が集まっています。ケーキのモンブラン発祥の店として知られる「モンブラン」は自由が丘ブランドの代表でしょう。
そんな老舗と競うように新しい店が生まれ、新陳代謝があるのも自由が丘です。例えば、「MILK LAND HOKKAIDO→TOKYO」は北海道直送のミルクや生クリームを使ったデザートや軽食メニューが楽しめる専門店。手に入りにくい、こだわりのチーズや農産加工品なども販売され、3月にオープンしたばかりだというのに、既に人気となっています。
老舗を愛しつつ、新しいものとの出会いも軽やかに楽しむ。それがこの街のスタイルです。

MILK LAND HOKKAIDO→TOKYO

駅前から西に向かうと九品仏川緑道に出ます。自由が丘駅付近から東西に延びる長さ1.5㎞ほどの緑道で、道沿いに植えられた桜やサツキ、キンモクセイなどの花が季節を感じさせてくれます。駅周辺の商業エリアと、それを取り囲む閑静な住宅エリアを結んでいる憩いの場です。
緑道を伝って散歩を楽しんでいると、気になる店と出会い、ついでにショッピングを楽しんだりカフェでくつろいだり。そんなことができるのもこの街のよさです。

九品仏川緑道

九品仏緑道のベンチでは、談笑している人やテイクアウトのパンやスイーツを食べる人、犬と遊ぶ人など、たくさんの人たちが思いおもいに楽しんでいます。
はじめての人でも、すぐにこの場所の雰囲気に馴染み、幸福な時間を共有できる素敵な場所です。

九品仏川緑道

自由が丘は、昭和初期に文化人の集まる街として発展。カフェやレストランは、小説家、画家、舞踏家たちの交流の場になっていました。文化的で自由な雰囲気は、今も受け継がれています。自由を大切にするから、みんなで街を作るという思いも強く、自分の知識を街のために活かしたいとワークショップを開催している店も多い。住民が街の未来を考え、人とのふれあいを大切にしているのもこの街の大きな魅力です。

キッズ向けワークショップも開催する絵本専門店
「PonoLipo Shop 自由が丘」
ねこじゃらし公園

2 新しい風

ミツバチが飛び交う緑の街づくり

自由が丘産のハチミツがあるのをご存知でしょうか。採れたハチミツは地元のいくつかのスイーツ店でお菓子作りに使われ、その美味しさが評判になっています。大量には採れないので、ハチミツ自体はお店には並びません。しかし、自由が丘に住む人たちは、もっと大きな恩恵を受けています。それは、ハチミツづくりによって街の環境がよくなっている、ということです。

街を緑化しCO2削減をめざす「自由が丘森林計画」。その核として、養蜂に取り組んでいる「丘ばちプロジェクト」の隊長、中山雄次郎さんはこう話します。

「私たちの巣箱は自由が丘駅の近くに建つ6階建てのビルの屋上にあります。ミツバチの行動範囲は半径約2㎞といわれていますから、商店街から周囲を取り巻く住宅街まで、自由が丘の街がすっぽり、ミツバチたちの行動範囲だということです。そこに緑が豊かにあり、花がたくさん咲いている。だから自由が丘では美味しいハチミツが採れるんです」

「丘ばちプロジェクト」の隊長、中山雄次郎さん

環境指標生物として知られるミツバチですが、もうひとつ大きな仕事があります。それは植物の花粉を運ぶこと。ミツバチの活動によって、植物は実を結び、仲間を増やします。世界の作物種の7割近くの受粉を媒介しているという国連環境計画の報告もあるように、農業生産にも欠かせない存在になっています。しかし、針のあるミツバチを街中に放つことに危険はないのでしょうか。

「ミツバチはこちらがちょっかいを出さない限り、滅多に人を刺しませんし、刺されても危険な状態になることはまずありません。危ないのはスズメバチです。 私たちは丘ばちプロジェクトを始める前、住民の皆さんに説明に行きました。そのとき、『刺すからダメ』って反対されるんじゃないって心配でした。でも逆でしたね。皆さんミツバチのことをよくご存知で、反対されるどころか『どんどんやれ』って焚きつけられました。自由が丘の人たちの意識の高さ、情報感度のよさに感心しましたよ」

ミツバチで自由が丘の
自然の豊かさを証明したい

こうして10年前に始まったハチミツづくりですが、最初の年に意外な発見がありました。採れたハチミツにバラの香りと味が濃厚にしたのです。当時、巣箱のすぐ近くのビルの屋上に、ビルのオーナーが趣味で作ったバラ園がありました。ミツバチたちはそこのバラのミツを集めていたのです。

小学生を対象としたワークショップ

「いつしかバラ園がなくなってしまい、ハチミツからバラの風味が薄れてしまいました。それでも十分おいしいんです。でもあの味は忘れられない。そこで私たちはバラを広める活動を始めました。自由が丘では毎年10月に『女神まつり』というイベントをやるんですが、その際に昔から、駅前ロータリーに立つ女神像をたくさんのバラで飾っています。そのバラの鉢植えを女神まつりが終わった後、お店や近隣の皆さんに『育ててね』って配っています」

自由が丘スイーツフォレスト3階の「丘ばちローズガーデン」
自由が丘産ハチミツを使った「メルシークレープ」の「丘ばちカスタード」

バラの鉢植えを配る活動は今年で8年目。自由が丘の街にバラの花が少しずつ広がっています。

近隣の方々の意識も変わってきたそうです。
「10年目を迎えて丘ばちプロジェクトの活動は街のみなさんにかなり認知されてきました。自由が丘ではミツバチのことを「丘ばち」って呼ぶようになりました。依頼されて、小学校や学習塾にもミツバチの授業をしに行くんですが、子どもたちは目を光らせて聞いてくれますよ。『ミツバチを飼いたい』って子も出てきます。そんな子には『おうちの庭にミツバチが好きな花を植えてみよう』って答えています」

写真:薮崎めぐみ

協力:丘ばちプロジェクト

自由が丘スイーツフォレスト

3 街のおさらい

※掲載の情報は、2019年4月時点の情報です