「住みたい街ランキング2021関東版」※1で、横浜、恵比寿、吉祥寺に続いて第4位となった注目の街、大宮。東京都内の人気の街を抑えるほどの人気はどこにあるのか。その魅力を探ってみました。
※1「SUUMO住みたい街ランキング2021関東版」リクルート調べ
大宮の街の魅力としてまず挙げたいのはアクセスの良さ。大宮駅は新幹線を含む16もの路線※2が利用できるビッグターミナルで、東日本の玄関口といった存在です。JR京浜東北線・埼京線は大宮駅が始発なので、座って通勤通学することも可能です。
※2:16路線とは、JR京浜東北線、JR宇都宮線、JR高崎線、JR上野東京ライン、JR湘南新宿ライン、JR埼京線、JR川越線、JR武蔵野線、東武アーバンパークライン(東武野田線)、埼玉新都市交通ニューシャトル、JR北海道新幹線、JR東北新幹線、JR山形新幹線、JR秋田新幹線、JR上越新幹線、JR北陸新幹線のことを示します。
駅に着いたらすぐ買い物ができる。しかも、とりあえず何か買えるというのではなく、豊富な選択肢が用意されているというのが大宮で二つ目に挙げたい魅力です。
まずはエキナカ。「エキュート大宮」と「エキュート大宮ノース」に合計80以上もの店が揃っています。エキナカ定番の食料品やスイーツ、レストランだけではなく、衣料品やファッション雑貨などのショップもあり、ちょっとした百貨店のようです。
改札口を出るとさらに選択肢は広がります。「ルミネ」「そごう」「髙島屋」「ビックカメラ」……。大宮駅周辺は県内屈指の商業エリアで、例えば西口はペデストリアンデッキで各施設が繋がっているなど買い回りしやすいのも特徴。おしゃれアイテムはもちろん生活必需品の買い物でも、選べることでショッピングはエンターテインメントに変わります。
楽しむ施設が充実しているのも大宮の魅力の一つです。コンサートなどが行われる「ソニックシティ」(ホール棟は現在改修工事で休館中)「大宮ラクーンよしもと劇場」「大宮図書館」など。
「宇宙劇場」は大宮出身の宇宙飛行士・若田光一さんが名誉館長を務めるプラネタリウム施設で、屋上で天体観測できる「星をみる会」など、親子で楽しめるイベントも充実しています。
ニューノーマルの時代、身近に気分転換できる場所があると嬉しいもの。「武蔵一宮 氷川神社」は大宮のオアシス。歴史を感じながら境内を散策したり、参道沿いにある「氷川だんご本店」で老舗の味を味わったり。ブレイクスルーするアイデアはこんな時に浮かんだりするものです。
散策の帰りには参道近くの「ラパン」に寄って天然酵母ベーグルをお土産に。伝統と新しさの両方を楽しめるのも、懐の深い大宮の街ならではです。
氷川神社に隣接する「大宮公園」は、野球場やテニスコート、小動物園のある、子どもと一緒に週末を過ごすのにもぴったりな場所ですが、老若男女、一人でもファミリーでも、おしゃれに、そして自分らしく活用できるスポットも大宮にはあります。「おふろcafe utatane」です。
その名前から、温浴施設にカフェが合体したようなものだと思うかもしれませんが、それを越える施設です。
お風呂には本格的なフィンランド式蒸気浴を楽しめる「サウナコタ」があり、カフェではフィンランド大使館が監修した現地の家庭料理を味わえます。自由に読めるコミックのコレクションは約9000冊。マッサージチェアは使い放題。リラックスコーナーやハンモックでゆったり過ごすもよし、高速Wi-Fiを備えたテレワークルームで仕事に集中するもよし。広いスペースにたくさんのファシリティが用意され、魅力がいっぱいの施設です。
大宮の街を魅力的にしているモノゴトはいくつもありますが、その中で特に有名なのは「鉄道」ではないでしょうか。「鉄道の街・大宮」。こう呼ばれるようになったのは、多くの路線が集中しているからだけではありません。鉄道は大宮の街の成り立ちに深く関わり、街の発展を支えてきました。「鉄道博物館」は、大宮の街と人々を、鉄道でつなぐ博物館です。
「鉄道博物館は、長さ約400mの長大な敷地に鉄道のたくさんの魅力を詰め込んだ施設で、4階建ての建物に『車両』『科学』『仕事』『未来』『歴史』といったテーマで展開しています。運転士や車掌のシミュレータはお子さんから大人の方まで人気なんですよ」 そう話すのは鉄道博物館 営業部の山﨑郁子さん。
実際に鉄道博物館を訪ねてみると、平日にもかかわらず賑わっています。しかも、訪れているのは、老若男女、家族連れからカップル、おひとりさままで、いろいろな人たちが思い思いに楽しんでいます。はやぶさの運転台に座って目を輝かせる男の子。鉄道ジオラマの前から動こうとしない女の子。
子ども向けのアトラクションが揃った「キッズプラザ」には「キッズカフェ」も。一推しは「てっぱくバーガー」。テイクアウトして屋上の「パノラマデッキ」などで食べることもできます。また、トレインテラスからはすぐ横を走る新幹線や在来線とともにJR大宮総合車両センターなどが見下ろせ、大宮が鉄道の街であることを実感できます。
「『大宮えきフェス by 大宮駅RENKETSU祭』をご存知ですか? JR大宮駅と、駅周辺の大型商業施設、そして鉄道博物館が力を合わせて毎年秋に行っているイベントです。駅の東口・西口対抗の大綱引き大会は大変盛り上がるんですよ」
※2020年の大綱引き大会は、新型コロナウィルス感染拡大の影響でオンラインにて開催。
1883年に上野—熊谷間の鉄道が開通したとき、大宮に駅は開設されませんでした。街の衰退を憂慮した地元の人々は誘致活動を展開。2年後に大宮駅が無事開業したという経緯があります。同年に、後に東北本線となる路線が大宮から分岐。これによって現在の交通の要衝としての大宮の礎が築かれました。1894年には現在の大宮総合車両センターの前身となる工場が設置され、鉄道は雇用の受け皿にもなりました。「鉄道の街・大宮」は、地元の人々の熱意によって生まれ、二人三脚で発展してきたのです。
大宮駅西口エリアを中心に再開発が相次ぐなど、今もダイナミックに進み続ける大宮。今秋開館14周年を迎える鉄道博物館は、賑わいづくりやエデュテインメントで大宮の街の発展をこれからも支えます。
撮影:薮崎めぐみ
写真提供:さいたま市宇宙劇場、おふろcafe utatane、鉄道博物館、ARCHE大宮
※掲載の情報は、2021年8月時点の情報です