二子玉川駅直通2分。渋谷駅直通18分のアクセスの良さ。それなのに、ゆったりとした雰囲気で、豊かな自然も満喫できる。郊外の良さを持ちながら、買い物にも飲食にも便利で、クリエイティブな店も増えている。溝の口はたくさんの顔を持つ街。自然体で楽しく住める溝の口をご紹介します。
溝の口は、東急の田園都市線と大井町線、JR南武線の3路線が使える街。東急の駅名は「溝の口」。JRは「武蔵溝ノ口」。都心はもちろん、二子玉川(急行・準急で1駅)や武蔵小杉といった話題の街にもすぐに出かけられます。大井町線は溝の口が始発で、沿線の街に通う方には大きなメリット。東急とJRの駅はペデストリアンデッキで結ばれていて、スムーズに乗り換えができます。
溝の口は歴史を重ねてきた街です。江戸の赤坂と伊勢原の大山阿夫利神社を結ぶ「大山街道」の宿場町として江戸時代に大きく栄えました。街道沿いに由緒ある神社仏閣や蔵造りの商家などが残っていますが、特筆すべきは宿場町ならではの高いホスピタリティと唯一無二の街を目指す気概が今もしっかりと受け継がれていること。ここにしかないものを提供しよう、街を一緒に盛り上げていこう。そんな心意気を感じられる店が多いのです。
Made in Localがコンセプトのパンとスイーツの店「Len溝の口店」。食や物にこだわりを持つことの大切さを改めて教えてくれる、カフェ&物販の「TETO-TEO」。作り手の個性が見える小規模な飲食店・物販店が集まったシェアマーケット「ノクチラボ」。溝の口に本格イタリアンの風を吹き込んだ「トレトレセッテ」など。溝の口は、歩くたびに発見があり、モチベーションも与えてくれる街です。
もちろん暮らしの基本はしっかりと抑えていて、駅前を中心に商業施設が充実しています。東口には「マルイファミリー」と、市の行政サービスコーナーもあるテナントビルの「ノクティプラザ」。個人商店も並ぶ駅前商店街の「ポレポレタウン」はいつも賑やかで、野菜市などのイベントも行われています。「溝の口西口商店街」はレトロな風情が人気です。
このように便利な溝の口ですが、少し足を伸ばしただけで自然を満喫できるのも魅力です。東京ドーム約3個分の広大な都市公園「東高根森林公園」。軽い里山歩きと歴史散策ができる「末長熊野森緑地」。自転車なら多摩川もすぐそこで、サイクリングやバーベキューも楽しめます。
溝の口駅から徒歩2分ほど。歴史ある大山街道沿いに、懐かしく、かつモダンな装いの建物があります。シェアオフィスの「nokutica」です。築93年のこの古い建物は、今も現役。いえいえ、むしろ時代の最先端。溝の口の街の発展と文化の発信になくてはならない重要拠点なのです。
「nokuticaは診療所兼住居として生まれた建物を改装して2017年12月にオープンしたシェアオフィスです。個室のレンタルオフィス、お好きな席でお仕事ができるコワーキングスペース、ギャラリーやセミナーなどでご利用いただけるレンタルスペース、コーヒースタンドがあります。昨年の4月からお庭のレンタルも始めました」
そう話すのは株式会社エヌアセットの松田志暢さん。nokuticaのコンセプト作りから関わり、現在も管理人として裏から表から支えています。
nokuticaになる前のこの建物はほとんど使われていなかったそうです。しかしオーナーさんは自分が生まれ育った家ということもあり、残すことを希望していました。またここは街の人たちに愛されている建物でもありました。最初は産科診療所兼住宅、その後医院を閉じた後は住宅の一部を下宿として提供したり、地元の子どもに勉強を教えていた時期もあったこの建物について、「あそこで生まれたんだ」とか「勉強を教えてもらっていた」とか、思い出を語る方がたくさんいたそうです。
そんな折、松田さんは日々の業務の中で多くの人と出会ううち、溝の口に住んでいる人やこれから住みたいと思っている人たちの中に、職住接近を志向する人、住んでいるこの街のために働きたいと考えている人たちが少なからずいるということに気付きました。
「溝の口って、クリエイティブな人がたくさん住んでいるんですよ。そういう人たちはなぜか、暮らす街に関心が強い方が多いんです。街ともっと関わりたい、もっと良い街にしていきたいという夢を聞くこともありました。一人ひとりはクリエイティブなパワーがふつふつと湧いているのにそれを実現できないのは、力を合わせられないから。それならハブのような場所を作ろう。ということで生まれたのがnokuticaなんです。地域で親しまれていたこの建物はまさにぴったりでした」
レンタルオフィスには現在、インテリアデザイン、Web制作、クリエイティブエージェンシー、システム開発などの企業が入居。コワーキングスペースでリモートワークする人も時にまじって交流し、新規プロジェクトが起こったりもしています。
「入口のすぐ横に『二坪喫茶アベコーヒー』さんというコーヒースタンドがあるんですが、その存在が大きいです。みんな何となく集まって、コーヒーカップを片手にストーブを囲んで話をします。みんな地元に住んでますから、保育園はどうするとか、共通の話題があるんですね。相互理解が進めば、じゃ、今度この仕事を頼むとか、チームを組んだりとか、仕事の話もスムーズです。コーヒーの力なんでしょうね」
そんなコミュニケーションの中から様々なプロジェクトが生まれ、溝の口の街に寄与したものもたくさんあります。初期費用がネックになって店舗を持てないでいる人が出店できるシェアマーケットの「ノクチラボ」。ハーブのワークショップに参加して刺激を受けたある方は、アロマキャンドルのアトリエを溝の口に構えました。また、nokuticaでの活動に触発されたのでしょう、シェアキッチン、ダンススタジオ、ブルワリーなど、魅力的な店や施設が溝の口周辺に近年次々と生まれています。
発展する溝の口のハブnokutica。命が生まれる産科の診療所であったこの場所は、今、街に新たな文化を生み出す場所になっています。
写真:薮崎めぐみ
協力:nokutica
東急「溝の口」駅徒歩8分「二子玉川」駅へ1駅2分。1LDK・2LDKの全44邸プライベートレジデンス
※掲載の情報は、2022年2月時点の情報です