プラウドが生まれる街江戸川区 平井

暮らしやすい下町、江戸川区は、子どもたちの元気な声がこだまする、子育てファミリーに優しい区としても知られています。そんな江戸川区の中で、いま注目を浴びている街が「平井」。水辺の自然と都心へのアクセスの良さはそのままに、再開発によって未来へと羽ばたく平井の街を歩きます。

1 平井を歩く

都心の主要駅にスムーズアクセス。
水と緑の街・平井が子育て世代に人気の理由

平井は2本の川に抱かれた、水辺の自然とともにある街。街の玄関口であるJR総武線の「平井」駅から東に進むと荒川、西に向かうと旧中川が流れています。どちらの川も護岸整備がしっかりとなされ、また同時に、水辺のレクリエーションを気軽に楽しめるように整えられてもいます。カヌー、カヤック、釣り、サイクリング、花見、ピクニック、バーベキュー。家族そろって自然を楽しみ、自然から学ぶことができる環境です。

逆井公園。子ども向けの遊具やじゃぶじゃぶ池がある

平井駅の南口を出てしばらく進むと、商店がたくさん並んでいるエリアに入ります。「平井親和会商店街」です。個人商店からチェーン店まで80以上の店があり、日々の生活に必要な物はすべて揃うでしょう。すぐ横に大通りがあるせいか、商店街のメインストリートには車がほとんど入って来ないため、子連れでも安心です。

Restaurant Kobayashi。旬を大切にした料理と、ワインの品揃えにも定評がある

ジビエ料理も堪能できるフレンチの名店「Restaurant Kobayashi」、絶品ホットケーキで知られる「珈琲ワンモア」、確かな手仕事と懐かしい風情が嬉しい「金太郎煎餅」、セレクトされた日本酒とクラフトビールを立ち飲みで楽しめる「薫酒や いこう商店」、ニューヨークスタイルのベーグルと焼き菓子の店「N'S BAKE SHOP」。老舗と新鋭店の共存に、この街の懐の深さが感じられます。

金太郎煎餅。創業120有余年
珈琲 ワンモアは居心地のよい店。サンドイッチも人気
薫酒や いこう商店では、いろんな種類の日本酒が体験できる

荒川周辺はものづくりの盛んな場所。町工場の優れた技術で世界に誇る逸品が生み出されています。平井にも切子の「東京ガラス工房 凛然」と三味線・琴製造の「向山楽器店」があります。どちらもスクールや体験会を開催。平井は日本の優れた文化を発信し、次の世代へとつなげる街でもあります。

水辺で生まれた文化を
次の世代につなげる街

東京ガラス工房 凛然。伝統的な手法・文様に現代の技術と感覚を融合

未来を見据えた動きは平井の街でも感じることができます。現在、平井駅北口で再開発が進行中で、来春には商業施設や子育て施設も完成予定。美しくモダナイズされる景観とともに、賑わい、歩きやすさ、防犯といった面でもアップデートされるでしょう。

小松川さくらホール。コンサートやスポーツの会場として使われている。温水プールもある

2 新しい風

平井の街には、思いっきり遊びながら
自然を学べる、水辺の楽校があります

子どもにとって、川は遊びと学びの宝庫です。とはいえ、どうしたら安全に楽しく遊ばせることができるのか、難しい問題です。そんなときに頼りになるのが先人の知恵。平井には、荒川の水辺で子どもたちと遊ぶ活動を20年以上続けている団体があります。「下平井水辺の楽校」です。

国土交通省、江戸川区、地域の環境団体などと連携して活動している

「『子どもたちを川で思いっきり遊ばせたい!』それが私たちが1999年に下平井水辺の楽校を始めたきっかけです。平井を含む江戸川区には川がたくさん流れているのに、当時は『危ないから行ってはいけません』という風潮でした。でも、川には自然の遊び道具、学びの種がたくさんあります。利用しないのはもったいないです。危ないというのなら、安全に遊べるように子どもたちに教えてあげよう、と考えました」

下平井水辺の楽校代表の中嶋美南子さん(左)。右は運営委員会メンバーの星野由実さん

そう話すのは、下平井水辺の楽校の代表を務める中嶋美南子さん。江戸川区で生まれ育ち、理科を教えるのが大好きな小学校教諭だった中嶋さんは、まさにこの役にうってつけの人物です。下平井水辺の楽校は4月〜11月(8月を除く)に毎月1回、日曜日の午前中に活動。幼児から小学生まで、幅広い年齢の子どもたちが参加しています(3年生までは保護者同伴)。では具体的にどのようなことを行っているのでしょうか。

「干潟に入ってカニを捕まえたり、河川敷の草むらで虫を探したり。落ち葉のプールで遊んだり。河川敷にヨシがいっぱい生えるんですが、それでヨシ笛を作ったり、ヨシ原に住んでいるオオヨシキリという鳥の観察もできますね。野草の花束を作ってお母さんにプレゼント。投網体験は大人気です。重いので小さな子には難しいですが」

荒川は生き物の宝庫。思わぬものが見つかることも
植物のお話も

これはほんの一例だそうで、都会の川でたくさんの豊かな体験ができるということに驚きます。様々なバックボーンを持つスタッフが揃っているとのことで、遊びを多彩に提案できるのも特長。安全については、水辺に近付くときにはライフジャケットを必ず着用させ、スタッフが毎回10人程度参加して注意を払っているそうです。

落ち葉遊び
捕れた魚の説明に興味津々
バードウォッチング

平井の水辺は、子どもたちが、
安全に遊び、学び、集う場所

ボート乗船体験も(コロナ禍のため休止中)

活動の前に30分ほどかけてごみ拾いをしていますが、子どもたちは楽しそうにごみ拾いをするそうです。「子どもにとっては宝探しなんですね」と中嶋さん。30分のごみ拾いをきっかけに、子どもたちに自然を大切にする気持ちが育ちます。また水質汚染や外来種の問題なども、たとえその場では理解できなかったとしても、遊びを通して学ぶことで印象に残ります。

ごみ拾いのほか、水質調査も行っている

20年以上活動を続けてきたことで、活動に幅も出てきました。かつての常連が中学・高校・大学生となって参加し、子どもたちの面倒をみてくれます。近隣の小学校の環境学習のサポートを長年続けてきたため、街との結びつきもより一層強くなりました。活動が評価され、環境省から2009年度「水・土壌環境保全活動功労者」として表彰されました。

参加申し込みは下平井水辺の楽校のブログから。
https://shimohirai.blogspot.com

都心直結の便利な街でありながら豊かな自然を維持しているこの街で、遊びを通じて子どもたちに自然の大切さを伝えている下平井水辺の楽校は、これからも重要な存在であり続けるでしょう。

写真:薮崎めぐみ

協力:下平井水辺の楽校

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※掲載の情報は、2022年12月時点の情報です